まずは バルテュス展の会場となっている "東京都美術館" と同じ 上野公園の中にある "国立西洋美術館" 併設のカフェ・レストラン「すいれん」で、しっかりランチをいただきました。
これで 力はつけたし、少々の事では驚かないぞ!
…っと、ここで あおいみみずくの無知を曝け出すのもなんなのですが、あの有名なロダンの"考える人"って、こちら 国立西洋美術館にあったんですか!
「そうだよ。ただ、"考える人" はここだけでなく 結構あちこちにあるみたい。ここには "地獄の門" もあるんだよ。あと、ここの "すいれん" では、よくランチするの。」とは ももんが先生のお言葉…ああ 先生!ついて行きます…あ!地獄の門の真ん中上部に "考える人" がくっついているの 発見*\(^o^)/*
さあ この後いよいよバルテュス展へ!初めてお会いする方なので 解説ヘッドフォンを借りました。
いよいよ地獄の門の扉が開く…って…びびりすぎ…>_<
初めて観て まず最初に感じたのは、なんと言っても「色」が素晴らしく綺麗!ということ。
彩度は低く抑えてあり 深みがあるのですが、なんとも言えない透明感があって 美しい。
あおいみみずく、先日5/31のBlog「末摘花栄」の記事内に バラの写真をUPしましたが、その写真は 花びらや葉の裏側から日を当てて、物質を透き通ってやって来る光の透明感を狙って撮影したものでした。ピンクのごく薄いはなびらを通して 花の内部が光源になったかのように感じられ、表に現れる光は 透明感を生み出し、バラはなんとも言えない輝きを発しています。
同じような感じで バルテュスの色使いは、例えば少女の真っ白な肌に光が当たっているというよりも、少女は自身の内部に光源を持っていて、それが表皮を通して透明に光輝いている…まるで発光していているようなイメージ…美しい…
スキャンダラス…確かに思春期の少女が しどけない格好で眠りこけていたり、椅子の上で立て膝をして踏ん反り返っていたり…思わず「お行儀良く!」って言いたくなるような格好をした彼女達の絵もありました。でも、子供から大人に変わる ある時代の危なっかしさ…むしろ、大人になってしまった世代の私達にも こんなに無意識で 無防備で 透明感のあった時代が そう…確かにあったんだ…と思い起こさせられ、懐かしくなるものでした。
このパンフレットに掲載された絵は 窓際の 光が当たった洗面器と、部屋の奥で燃え盛る暖炉の赤い火の 光と影の対比・陰影がとても美しく、今でも心に残っています。「洗面器」「燃える火」それぞれに「純潔」「欲望」などの象徴的意味もあるようで、そういったメッセージ性を読み取るのも大変 興味深いのですが、あおいみみずくは、何と言っても 暖炉の中で紅く燃え盛る火の色に心を奪われました。本当に残念ながら、絵葉書やパンフレットになってしまうと この色の素晴らしさはすっかり失われてしまいます…
以前 暖炉ではないのですが 本物の薪ストーブをお持ちの方お宅で 部屋の灯を消し 燃える火を眺めながら、ちょっと退屈なテノール歌手のCDを皆でボーッと聴いていたことがありました…
あの ストーブにくべられた薪の 燃える光の色…ただただ眺めていても飽きなかった…刻々と入れ変わる百万の色…揺れて燃え上がる炎の光…あの時の 透明な まばゆく紅い 光の色…
…窓際のテーブルに乗っている洗面器と 燃え盛る暖炉を結ぶ 少女の脚…片脚をピンと伸ばしながら、手鏡で見るのは自身の顔なのでしょうか…日の光に当たった 白い洗面器なのでしょうか…
あおいみみずくが抱いた当初のイメージを 良い意味で裏切って下さったバルテュス展。折角なので、もうちょっとお話しようかな…?
という訳で、あと一回 続けちゃいます *\(^o^)/*
4 件のコメント:
みみずく姫は色彩、私は構成というように異なった視点からバルテュスに興じたのは面白いですね。
人によって観方が違うのか、それともバルテュスの作品が様々な側面を有しているのか、その両方なのか・・・。巨匠と呼ばれる画家の作品は奥深いですね。
ジョヴァンニさんからコメントいただき、嬉しいです!ありがとうございます!
例えばバッハの音楽も、構成の面からも非常に素晴らしいものですが、私のような論理的思考力を持ち合わせてない人間(…鳥?)には 震えるほど美しい音色としてダイレクトに入って来ます。巨匠の作品は、どの角度から捉えても素晴らしいものなのですね…
バッハで思い出しましたが、映画にもなった トマス・ハリスの小説「羊たちの沈黙」に出てくる殺人鬼レクター博士は「自身が優れた知性と感性、豊富な知識を備えた人間であることに強いプライドを持っていて、グレン・グールドが演奏するバッハのゴールドベルグ変奏曲を好む」という設定なのですが、さらにもうひとつ、その「レクター博士と バルテュスは従兄弟の関係である」という設定なんだとか…なんだか 今、すごく納得してしまいました…^_^;
モモンガです。 先日はありがとうございました。みみずくさん、しっかり観賞されていたのですね。感想が素晴らしいです(^-^)/ レクター博士とバルデュスのエピソードははじめて知りました。実はレクター博士、好きです…私の中のアブナイ部分がひきつけられるのでしょうか(笑) それにしても、私もバルデュス夫人のように大芸術科と運命的な出会をしてパリの郊外のアトリエに暮らしてみたい。。(妄想中) また、どっか行こうね。
モモンガさん、コメントありがとうございました!
そう言えば、出版されたばかりだった鈴木光司さんの小説「リング」…まだ話題にも映画にもなってなかった時に「すっごく心理的に怖い本があるよ〜」と、紹介してくれたのはモモンガさんだったのを 今 思い出しました…^_^;
人はだれしも ダークサイドがあるワケで…実は私もレクター博士 好きかも…映画「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンス演ずるレクターは良かった。ホント 怪演だったね!
モモンガは大芸術家とパリで逃避行かぁ…いったいどうなってしまうやら…珍道中にならない事を祈る…^_^;
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