2014年5月31日土曜日

末摘花栄 (すえつむはなさく)

そろそろ陽射しの強さを肌で感じる季節になって来ました。ただ まだ、東京は幾分湿気が少なく、陽射しの強さは感じるものの、少し風が吹けば爽やかに感じます。
ところで、節分を基準に1年を24等分して約15日ごとに分けた季節の事を二十四節気と言います。
例えば 立春・啓蟄・夏至・大暑・立秋・大寒…けっこう聞き覚えがあるものも多いのですが、これ等を更に細かく 5日ごとの3つに分けたものを七十二節気といいます。
こちらになると、雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)・麋角解(きわしかのつのおつ)…などと あおいみみずく あまり聞いた事がなくなってしまいます。でも 言葉の持つ響はとっても優雅…
こんなに素晴らしい季節を表す言葉があるのも嬉しいし、そんなステキな季節を一歩一歩踏んで行くことができる日本の環境は 繊細で本当に素晴らしいと思います。


さて、今の季節を二十四節気で表すと「小満 ( しょうまん )」です。
「小満」の意味を調べてみたら
「5月21日頃から6月5日頃。あらゆる生命が成長し、天地に満ち始める」
とありました。野山の新緑は一気に広がり 街を彩り、次第にその色を深くします。
「小満」を更に七十二節気で表すと5日ごとに「蚕起食桑 (かいこおきてくわをはむ) 」「紅花栄 (べにはなさく) 」「麦秋至 (むぎのときいたる) 」となります。
イメージ湧きますねぇ…
Blogを書いている 本日 5月30日は「紅花栄 (べにはなさく) 」です。
紅花は この時期に だいだい色の花をつけ始め、時が経つにつれて どんどん赤く変化するようです。あおいみみずく、「いちめんのなのはな」は見る機会があったので、「いちめんのべにばな」も見てみたいものだなぁ…
今でこそ紅花は油を連想させますが、古代エジプトでは染料に使われていたようで、日本にも飛鳥時代に染料として もたらされました。古くは和名を「くれのあい(呉藍)」といい、万葉集や源氏物語 には「末摘花 ( すえつむはな )」の名前で出てきます。
光源氏が一人の女性につけたあだ名「末摘花」…女性の「鼻が紅い」ことと、紅花の「花が紅い」ことをかけ、からかったようですが…光源氏、イケズ…(~_~;)
万葉集での末摘花の使われ方は素敵ですよ。
「外( よそ )のみに 見つつ恋ひなむ紅の 末摘花の色に出(い)でずとも」
訳は「外から見て 恋するだけにしましょう。紅花の様に色に出さずとも…」
つまり「私の恋が実らなくても、あの人を見ているだけでいいんです…」
奥ゆかしくって良いですねぇ…こういう気持ちは普遍なのでしょうか…
末摘花 ( すえつむはな )…音の響きも良いなぁ…「紅花栄」も良いですが、「末摘花栄」も素敵じゃありません?

末摘花の写真が無いので、本日の写真は 「粉粧楼」です。
手もかからず もちろん鉢植え。甘い香りが ものすごく、まさに今「コラコラ、 もうちょっと考えて花をつけなさい」ってアドバイスしたくなるくらい ベランダで たくさん たくさん 咲いてます。

2014年5月27日火曜日

月島ロケットその後 (追記あり)

平安時代前期の864年 5月25日。富士山が大噴火を起こしました。
866年まで続いた この大規模火山活動は「貞観大噴火(じょうがんだいふんか) 」と呼ばれていて、文献記録に残る富士山最大の噴火と言われています。
この時流れ出た溶岩流の上に1100年の時を経て 針葉樹を中心とした植生が回復し、原生林・青木ヶ原樹海が生まれたとされているのですが…
2014年 5月25日。噴火から1150年経たこの日…
あおいみみずくの住処で、秘密結社月島ロケットの第三回会合が催されました。ロケットの発車煙が 火口からの噴煙と通じるから…ってことでもないのでしょうが (*^^*)
(月島ロケットの成り立ちについては 2013 9/19のブログ「秘密結社月島ロケット」をお読み頂けると幸いです)


さて、今回は残念ながら 科学ジャーナリストの方が欠席でした。なんでもシーカヤックでの旅に出て 帰還はしたものの 原因不明の熱病を発症し 倒れたという事…
そのため参加者は 笛吹く社長、吟遊詩人=前衛芸術家、物理学者、若手女性エンジニア、あおいみみずく…(ここまではいつものメンバー)
そして今回 新たに 変体仮名をスラスラと読みこなすという謎の特殊能力を持つ 「ピアノメカニック伝道師」が ご出席になりました。
当日は「あおいみみずくの京都報告会」という副題のついた集まりでしたので、みみずくは せっせと 京都で撮った写真に音楽をつけたDVDを制作し 参加者に披露したのですが…
何と言っても写真の数が多くって、視聴時間が約2時間という長丁場となり…^_^; 
皆さん どんどん青ざめて行き 最後はぐったりと疲れ果ててしまった模様…ってことで このくらいに留めておいたのですが、実際はナント 披露したのは全体の1/3にすぎなかったのです(^◇^;)
まあ「京都報告会」というのはあくまでも名目で、ホントの所は呑兵衛の会。いつもの通り 美味しいお酒の会合となってしまいました。
ところで、実は今回 あおいみみずく、皆様のおつまみを用意するという大役を仰せつかってしまい 途方に暮れていたんです…そしたら いつもみみずくを陰から支えてくださっている「決して足を向けて寝てはならぬノブさん」が このピンチを聞きつけ、自宅ガレージで手打ちしたお蕎麦や手作りケーキその他を 超カッコイイ車で颯爽と届けてくださいました。
本当にいつもいつもありがとうございます!


さて、会合が最高潮に達した時に登場した「福ダルマ」のケーキ!
会合の前日に届けられたこのケーキは、笛吹く社長からのサプライズ差し入れでした。
このケーキがあるところ、何処でもパワースポットになってしまいそうな…凄い迫力ですね…
チョコレートによる だるまさんの目入れ を担当したのは、物理学者と 若手女性エンジニアの「さくら」です。さくらちゃんはまだ20代。これからの人生 ますます「楽しいことたくさん」ありそうですね♡
で、本当は 今回の会合において、魔界で囚われの身となっておられるギョーム・サボリネールさんの救出についても議論がなされるはずだったのですが…皆さんすっかり酔っ払ってしまい…
あー!ギョームさん、ごめんなさ〜い!


(追記)
一番最初の写真、ロケットみたいに見えませんか?
実は「京都タワー」です。
「京都タワーは蝋燭をイメージして作られた」と思われている方も多いようですが、実際は 海が遠い京都市内を照らす 「灯台」なんだとか。
でも、あおいみみずく的には 断然ロケットです^ ^

2014年5月22日木曜日

いったいどんなイメージ…?

あおいみみずくは基本、歩くという行為は好きではありませんが、お買い物っていう事なら話は別です。
ある日、友人と国立(くにたち)で巨大ハンバーガーを食した後、そこいらをぴょこぴょこ飛び回っておりましたら、小洒落た紅茶専門店を見つけました。
「国立ティーハウス」というお店で、ムレスナティーを扱うお店です。
関東の方は「ムレスナティー」という名前には あまり馴染みがないかもしれませんが、関西ではよく知られている スリランカ産 紅茶の専門店で、たくさんの種類のフレーバーティーを扱っていることが特徴です。
京都 錦小路の 烏丸通りからちょっと西に入った所にお店があったので、あおいみみずく 京都滞在中、錦市場での怒涛のお買い物に疲れ果てた時などに よく利用させていただいてました。
なんとそれが東京 国立にあったとは…懐かしいな、嬉しいな*\(^o^)/*
こちらのお店のフレーバーティーは、200年以上の歴史を持つ スイスの「ジボダン社」の天然植物香料を、スリランカ産の茶葉にハンドブレンドし 自然乾燥させているという事。
店内、紅茶はもとより お花の香りでいっぱいでした。
ティーハウスなので、もちろん店内では本格的に拘って入れた紅茶が楽しめますが、茶葉やティーパックの販売もしているようです。
かわいいパッケージに興味を惹かれたあおいみみずく。店の陳列棚をくまなく探査して回っていたところ、面白い名前のフレーバーを発見してしまいました!その名も、
「京都祇園の香り」それと、「あなたと京都でお会いしてお茶したいのです 京都四条の香り」
ううむ…このネーミングのセンス…そして艶やかなパッケージ…モロ関西風ですね…^ ^ この表現  嫌いじゃないです。しかし いったいどんなフレーバーなんでしょ?


早速、お家で試してみたところ、「京都祇園の香り」は、舞妓さんが近くにやって来て、横でクルッと一回転。おしろいと 匂い袋の香りふわっと…「おいでやす♡」てな感じのイメージかな…
「あなたと京都でお会いしてお茶したいのです。」の方は、お洒落な京都マダムが5人集まっての優雅な午後の夕暮れティータイム。「あらやだ!もうこんな時間?ごきげんよう♡」って感じでしょうか…
う〜ん…わかるかな〜?無理?
東京ではお目にかかった事の無いような…。
ちょっと変わっているけど、良い茶葉を使ってるせいか 香りは個性的なものの 味わいはまろやかで美味しいです!
東京でムレスナを頂けるティーハウスは 国立の他、自由が丘にもあるようです。
美味しそうなガレットもメニューにあったようですし、京都での懐かしき日々を思い出す意味でも、次回は いつもお腹を空かせた熊さんと 一緒に出かけてみようかな*\(^o^)/*

2014年5月16日金曜日

平等院は世紀を超える

先日 あおいみみずくお気に入りのTV番組、BS朝日「京都1200年の旅」で、京都 宇治の平等院が取り上げられていました。
「平等院鳳凰堂」では平成24年9月から平成の大修理が行われていましたが、尾廊部分は引き続き9月まで修理作業継続ながら、今年3月末日に 屋根の葺き替え・柱などの塗り直しなど あらかた竣工したため、
平成26年4月1日より拝観再開となったようです。
昨年の秋、あおいみみずくが宇治を訪れた時には まさに修理の真っ最中。残念ながら その美しい姿を拝見することはできなかったのですが、修理に入る前年に訪れた際 撮影した写真をみつけました。


屋根に鳳凰を頂いて 阿字池にその姿を映し、岸辺にゆっくりと羽を広げてただずむ気品溢れる姿。
まさに建物自体に命がある…翼を休めに天から舞い降りた鳳凰のよう…思わず見入ってしまいます。
和様文化の真髄ですよね。なんて優雅…

平安時代の遺産「平等院」は、ときの権力者 関白藤原道長が 光源氏のモデルの一人と言われている 源融 (みなもとのとおる )が造ったと言われる別荘を譲り受け、その子 頼通 (よりみち) が 1052年に仏寺に改めたことが始まりです。
後に「鳳凰堂」と呼ばれる阿弥陀堂は、翌年の1053年に その堂内の「阿弥陀如来坐像」・"やまと絵"の描かれた「壁扉画」・52体の「雲中供養菩薩像」・周囲の「庭園」などと共に 現世の極楽浄土として落成されました。
本尊の阿弥陀如来坐像は、当時 最高の仏師と言われた「定朝」の確証ある唯一の遺作だそうです。
平安時代後期は 貴族による大規模寺院の建設が流行っていたそうで、当時の平等院にも多くの堂塔が建ち並んでいたという事ですが、1336年の 楠木正成と足利尊氏による戦いの兵火をはじめ、度重なる災害により堂塔は廃絶してしまったようです。
しかしその中で 鳳凰堂と、観音堂 (鎌倉時代に建設) が奇跡的に災害をまぬがれ 現代に平安の時を伝えています。
建物、仏像、壁画、庭園まで含めて 平安時代後期に建立された寺院がそのまま残存する平等院…
途中、荒廃してしまったものの、約1000年もの長い長い時間、よくぞ残っていてくれたと思います。


上の写真は、あおいみみずくがいつもお世話になっている先輩からお借りしたものです♡
計算し尽くされているのか、どの角度から見ても見事にバランスが取れていて なんという美しさ…
緩やかにカーブした屋根の曲線…
今から1000年も前、平安人(へいあんびと)の完璧なる美意識を感じます。
さすがに傷みも来てはいるようですが、少し朽ちた様子も 時の流れという薄衣を纏った感があり 、はるかな歳をを重ねたからこその 落ち着いた品格があります。
朝、阿字池を挟んで鳳凰堂の対岸に立つと、東に向かって安置された阿弥陀如来の顔は 堂に丸く開けられた窓から射す 陽の光を受けて 金色に輝くとか…見てみたいなぁ…。
庭園の開門は午前8:30ですから、日の出が遅い冬に行けば ひょっとしたらそんな姿が拝めるのかもしれません。

さて、この度の 60年ぶりの大修理によって、建物の表面は 平安当時の技法を使い、暗みのある赤の「丹土(につち)色」で塗り、(TVの画面で拝見すると、赤の色に深みがあり とてもシックで落ち着いた色合いに見えました ) 瓦もいぶしを使わない「古色仕上げ」とし、濃い墨色にして 創建当時にかなり近づけたという事です。
因みに これまでの調査から、平等院が現在のような総瓦ぶきになったのは1053年の創建から約50年後と推測されています。瓦ってそんなに昔からあったんですね…
今回の修理では、当時使われていたとみられる大阪産・河内系の瓦を復元し、約9割の4万5千枚がふき替えられましたが、驚くべきことに 平安当時の瓦がかなり良い状態で残っていたそうで、1500枚ほどは修理後もそのまま使用する事ができたようです。
また、屋根の上に据える青銅製の鳳凰と露盤(ろばん)宝珠は 緑青を落とし 金箔を貼り、かつてあった輝きを取り戻したという事です。
これから先、世界遺産としても後世に遺し伝えて行くものですから、かなりの思い切った修理も必要でしょうね。
「追求できる限り最も古い時代の鳳凰堂を目指し、極楽浄土を再現した姿に近づけたい」
というのが御住職の言葉だそうです。
新たに古くなった(?)現代における極楽浄土…実際に伺える日が楽しみです!

2014年5月10日土曜日

東京で栄西と建仁寺を満喫…のつづき

さて 前回、思わず「風神雷神図屏風」について語ってしまった訳ですが…
今回の展覧会の正式名称は、"栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」"
様々な政治的妨害にも屈せず 日本に禅宗(臨済宗)を広める土台を築き、京都最古の禅寺「建仁寺」を開創した栄西禅師(1141~1215)の800年遠忌に因んで開催された展覧会です。
栄西禅師は留学していた中国からお茶の種を持ち帰り 栽培を奨励し、「喫茶養生記」を著して お茶の普及に努めた事などで「日本の茶祖」と言われています。(その辺りの事については、あおいみみずく11/4付のブログ「建仁寺の生垣」の回をご参照ください。)
で なんと今回、栄西が著した自筆の「喫茶養生記」の再治本を、実際に見る事ができたんです…感動!
( 喫茶養生記には初治本と再治本があり、展示されていたのは 自身が書き写した再治本です。)
最初から最後まで決して乱れない きっちりとした筆跡から、驚異的な集中力が偲ばれます。
そんな中「栄西禅師坐像」…というのを見て驚いてしまいました。
確かにその能力を彷彿とさせられます…というのは、その頭 ( 額 ) があまりにも長いというか、広いというか…
驚異的な記憶力を手に入れられるという「虚空蔵求聞持方」の修行をやり遂げた事により、身長が12cm伸びて、てっぺんが平な大きな頭になったそうな…ホントですか…?^_^;


この展覧会は本当に見応えがありました。
古田織部・松平不昧が大切にしていた 見事に美しい「油滴天目茶碗」や、小堀遠州が所持していたという「玳玻鸞天目(たいひさんてんもく)茶碗」との出会いは ちょっぴり茶道をかじっている あおいみみずくにとって 特に感動的でしたし、六道珍皇寺所蔵の「熊野勧心十界曼荼羅」に描かれた"地獄に落とされた人"のあまりにもあんまりな有様に、絶対にいい人になろう…と、決意したくなり…
そんな中で今回「風神雷神図屏風」と共に目玉であったのは 海北友松( かいほうゆうしょう )筆 による「雲龍図」です。
これは かつて方丈に飾られていた友松制作による全50面の襖絵から成る「建仁寺方丈障壁画」の一部で、玄関に最も近い位置にある「礼之間」という部屋の正面と左面を飾っていた 8面から成る襖絵です。
そこには阿吽(あうん)の双龍が大迫力で描かれているのですが、漆黒の暗雲の中から緩やかにとぐろを巻きつつ姿を現した二匹の龍が、寺にやって来る者を品定めしつつ出迎えているかのようです。
眼底に漂う好奇心と威圧感…何だか自分の心が見透かされているような気持ちになってしまいます。
この「雲龍図」を含めた「建仁寺方丈障壁画 」は「風神雷神図屏風」と同じく、いつもは京都国立博物館で保管されていて、建仁寺に行っても本物が出迎えてくれる訳ではありません。
因みに今回は、50面中41面もの障壁画がはるばる東京までお越しになっており、それだけでも凄い事なのですが、実際に これらを禅寺の空気感と彩光の中で 見る事ができたら最高なのにな…友松の世界観に囲まれ 浸ってみたい…
ただ、これらもCanonが協力して 高精細複製品を制作しているようで、今年2014年、栄西禅師「八百年大遠諱記念事業」の一環として 複製品ではあるものの、順次 方丈へ襖の姿で戻し 現地で一般公開されるのだそうです。
「竹林七賢図」16面、「琴棋書画図」10面、「雲龍図」8面、「山水図」8面、「花鳥図」8面から成る 「全50面に囲まれた方丈」…
うー!浸ってみたい 見てみたい!また京都に行きたくなっちゃった〜^_^;


それから ちょっとオマケのお話なのですが、先日 あおいみみずく3/21のブログ「伏見のお酒で乾杯」の最後に、"山本本家の「松の翠」"という 茶道 表千家宗匠の初釜で振舞われるお酒の紹介をさせて頂きました。「是非試してみたい…」と書いたのですが、その「松の翠」が なんと「栄西と建仁寺特別展」の"展覧会グッズ販売コーナー"で売っていたのですよ!ひゃーびっくり!(#^.^#) テレパシーが通じたのかしら…こんな所で遭遇できるとは…
モチロン買って来ましたよ♡ どんな味だろ…?ワクワク *\(^o^)/*

2014年5月5日月曜日

東京で 栄西と建仁寺 を満喫!

「建仁寺」はあおいみみずくが京都滞在中、その境内を何度となく横切らせて頂いたお寺です。
禅の教えでは「掃除」も修行。毎朝 完璧に履き清められた境内はチリひとつ落ちておらず、凛とした空気が漂い 樹々の香りが感じられる清々しい風が吹いていました。
ここは 俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を所蔵しているお寺として知られています。ただ 所蔵はしているものの、実物は保存の為に 京都国立博物館に寄託されていて、実際に行っても見ることはできません。が、その代わりにキャノンが最新のデジタル撮影と高精度のカラーマッチングを行って複製した高精細の複製品が寺内で常時公開されています。
でも、やはり本物を見てみたい…
京都国立博物館内には保管されているものの、常設展示どころか滅多に見られるものではなく 京都にいても本物を見ることは叶いませんでした…



ところが、なんと 東京で見ることが出来ようとは!
現在、上野の「東京国立博物館」で開催されている 栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」で、本物の「風神雷神図屏風」に出会うことができたんです!
近くでまじまじと見ると、雷神の表情や筋肉に沿って、胡粉( 貝の殻を細かく砕いて作られた白色の顔料 )が塗ってあり、見る角度によって微妙に輝き、立体感と共に 動きが感じられます。
雷神に髪の毛は強くて固そう。筆跡が勢いよく、全てが逆立っていて、いかに激しく動いているか想像できます。
対して風神の髪の毛は風を孕んで少し細く柔らかそう。身体はちょっと抑えた色味で、画面から飛び出してくる勢いの雷神から少し奥に存在し、やんちゃな雷神に合わせて背後から風をコントロールしている感があります。
そして、余白に張り巡らされた金箔が、光の当たり具合によって濃淡が出るためか、無限の宇宙の彼方へ誘うがごとき奥行きを想像させます。
なんという立体感と躍動感!
ただ、「屏風」は本来、障子越しの柔らかな光で鑑賞するものなのだそうです。

障子を通って射す早朝の薄明りから、夕日が沈んだ後の名残りの赤い光…刻々と移り変わる 自然と時間が織りなす天然の照明をうっすら遮る障子…そこを通った光がこの屏風に当たり、表情がどんどん変わって行く姿を是非見てみたい…
夜、一本の蝋燭の火がゆらゆら揺れて、その光を受け止める姿を見てみたい…
一本の蝋燭では光が射す範囲も限られているでしょう…照らされた金箔は煌煌と輝き、光が届かない部分は きっと真っ暗…大きな対比だからこそ、闇は深く 底なしの宇宙。
昼間は何処と無くユーモアを漂わせていたものの、揺れる蝋燭に限定的に照らされた雷神は 胡粉が作る煌きと共に 誘うような表情を浮かべ、ひょっとしたら 拐われてしまうかも…と、 何とも言えない恐怖感を感じさせる…風神は表に出ずに闇の中から風を起こし、暗い場所に連れて行く…

残念ながら 「国宝」なので、保管が厳しく、「硝子ケース越し」かつ「展示用の照明」の下での鑑賞だったので、そんな世界を想像するしかないのですが…
凄まじく想像力を掻き立てられるこの絵は、後に尾形光琳が模写し、その光琳の模写を江戸琳派の創始者、酒井抱一が模写し…というように後世の偉大な画家達にも連鎖的に大きな影響を与えているようです。


栄西と建仁寺ゆかりの国宝4件、重要文化財38件を含む、計183件を展示中のこの特別展!
あおいみみずくは およそ3時間かけて見て回りましたが、今回はなんと、同じく建仁寺所蔵、京都国立博物館に寄託されている、北方友松の「雲龍図」の襖絵( 阿吽の龍 )も同時に展示されていたのですよ!これまた大迫力!
あ、でも"阿と吽 二匹の龍 "が揃って見られるのは5/6までです。
それ以降は一匹いなくなっちゃうみたいなので、要注意!
もちろん二匹とも しっかり見て来た あおいみみずく。で、とても書ききれないので次回に続く〜*\(^o^)/*

2014年5月1日木曜日

小さなコンサート

先日、あおいみみずくの家でピアノのホームコンサートを催しました。
ホームコンサートって言っても、現在たまたま披露できる曲を仕上げにかかった生徒さん達が数人集まって内輪で催した小さなものです。
曲目も、ドビュッシーのベルガマスク組曲とか、ベートーヴェンのソナタとか、ショパンやシューベルトの小品とか…自分が弾きたいものを自由に選曲しています。
特筆すべきは、今回参加の皆さんは 30歳以上の大人の方々だったという事。それぞれが仕事を持ち、家庭を持っている方もいらっしゃいます。
音楽が好きで、日々の忙しい中、隙間時間を集めて地道に練習を積み重ね、何とか 他人に披露するところにまでこぎつけました。素晴らしい事だと思います。
顔見知りの中での ごくごく内輪の会だったのですが、演奏する時は 皆、緊張でブルブル震えていました。
やはり人前で披露する「場所」に、大きいも小さいも無いのでしょうし、「頑張った」と思えるからこその緊張なのでしょう。この一回にかける皆さんの真摯な想いが本当に伝わり、とても心に感じるものがありました。
30歳を過ぎて1から習い始め、今回 10年以上かかってドビュッシーに辿り着いた方がいらっしゃるのですが、会の前日、自宅でご主人に聴いてもらったところ、「90点。失敗しても、先に進むんだよ。」という優しい言葉をもらったそうです。良いですよね♡
皆 、技術的にはまだまだなのですが、自分の想いやメッセージを伝えるための「音」を持っています…本当に美しい「音」…これこそが素晴らしいと思いました。自分の生徒の事を褒めるのは、まったくもって手前味噌なのですが、ご容赦を…^_^;
演奏の後は、シャンパンとケーキ、サンドイッチでお喋りの会に。
只今順調交際中の生徒を思いっきりひやかしたりなんかして…何やってんだか…学生時代のノリですかね^_^;
ホールを借りてのよそ行きの会も良いのですが、こういうちょっとした会も 楽しくて 励みにもなるようですね。
これからちょくちょくやって行こうかな?と思います。