2015年3月29日日曜日

北窓開く

しばらくご無沙汰いたしておりましたが、その間 春はいっそう進んだようです。
いつの間にか 梅の花は盛りを過ぎ、木蓮は天に向かって花を開き、沈丁花の良い香りが街中に漂い始めました。
ただ 三寒四温とはよく言ったもので、近頃は「ちょっと暖かいかな?」と気を緩めた途端、次の日は冴返る…体調を整えるのが大変ですよね。
前回のBlogで「春は光からやって来る」と書いたのですが、春が深まって来ると 透き通ってキラキラしていた光が次第に濁って感じられます…「濁る」という表現は美しくないですね?…「霞む」の方が良いかしら?町がうっすら霞んで見えます。
日本語には「春霞」という美しい言葉がありまよね。
「霧」や「霞」とはウィキペディアによると、
「大気中の水分が植物の蒸散が活発化するなどの要因によって増え、気温の低下などによって微粒子状となり、目に見える状態になる。昼と夜の変わり目で気温差の大きい日に起こりやすい。」
とありました。
この状態は「春」という時期に特に起こりやすいので「春霞」という言葉があるのですね。
「春霞」という言葉の響き自体は大変美しいので、「大気中の水分が微粒子状になる」という事で一件落着としたいのですが…でもやはり 今の時期、埃っぽくありませんか?
春は秋と違って朝だけではなく一日中霞んでいる印象です。水分だけではなく、スギ花粉と黄砂と埃がモワッと一面に漂っている感じ…目がチカチカ痛いし 喉はガラガラ 髪の毛を毎日洗わずにいられない…これが「春霞」の正体だったりして…
スギ花粉というのは現代の困り者ですが、黄砂はずっと前の時代から飛んで来ていそうですよね。
そういえば、あおいみみずくが大好きだった NHK大河ドラマ「平清盛」…
画面に平安時代っぽさを出すために、コーンスターチを扇風機で漂わせて わざと白く霞ませた映像を撮った という話を聞いた事があります。
平安時代は道も舗装されてないし、火を焚けば煙モクモク…相当埃っぽかったで事しょうね。おまけに春は中国からの黄砂来襲。町はいちだんと埃でいっぱい…で、これこそが「春霞…」
「悪環境」を「素敵!」に変えてしまう、これぞ平安人の雅!…と、一人(一羽?)納得のみみずく…
それにしても、春って 気温も気圧も安定せず、喉イガイガで、調子イマイチ。桜が咲くという大イベントがなければ かなり憂鬱な季節だったりして…(^^;;


いえいえ 前向きに行きましょう!
冬の季語に「北窓塞ぐ」という言葉があります。
言葉の通り、寒風を防ぐために 冬の間 北向きの窓を板や鎧戸で塞ぐという意味です。
冬の間 閉めきってていた窓。春には開けましょう!
「北窓開く」…こちらは春の季語です。
あおいみみずくの住処から1分も行かないところから、富士山が拝めます。
春の霞に輪郭が少しぼうっとぼやけ、山の稜線は滲んで見えますが、その様子がとても穏やかな山の風情となっています。春の優しい富士山です。
みみずく家の北窓から見えると仮定して…

 ☆ 北窓を開け富士山を拝みける

え…なになに?うちのいつもお腹を空かせた熊が一句作ったって言ってます…?

 ☆ このところ頭の中が春霞

うーん…(^^;; 
あ!上の写真は「ボケの花」です (⌒-⌒; )