2014年4月26日土曜日

世にも美味しい初鰹

それにしても 人間、美味しいものを食するというのは幸せですね。
とびきり美味しい初鰹です^ ^
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」
江戸中期の俳人 山口素堂のこの句は大変有名ですよね。
江戸時代、「初物を食べると75日長生きする」という言い伝えと共に、"特に「鰹」=「勝男」の縁起物「初鰹」を食べれば10倍の750日長生きする"と言われ、非常に高値となった時代もあったとか…
宝井其角は、「まな板に 小判一枚 初鰹」
なんて句も残しています。
安永五年(1776年)に出版された「初物評判福寿草」という初物番付では、最高位の「極上上吉」に 選ばれている初鰹…
「粋」の観念を大切にした"宵越しの銭は持たねぇ"江戸っ子達には「女房を質に入れてでも食べたい」などと もてはやされていたようです。まったく… ^_^;
初鰹は 初春の頃、フィリピン近海から黒潮にのって台湾~鹿児島沖 まで北上して来ます。そして青葉の頃に 千葉県沖に達したものが勝浦港へ水揚されます。
勝浦で水揚げされたばかりの初鰹…それを あおいみみずく達がいつもお世話になりっぱなしの知人の方が現地まで買い行かれ、「後は食べるのみ」の段階まで調理して お酒と共に我々の元に届けて下さった…そうなんです…頂いちゃいましたぁ!!ありがとうございます♡
「さっぱり爽やか。独特の鰹臭が全く感じられず、旨味のみ。こんな上品な鰹はこれまで食したことが無い!」
思わず いつもお腹を空かせた熊と同時に吠えてしまいました。いや、本当に美味しかった!
鰹の美味しい季節は春と秋の年二回あります。
春、黒潮にのって太平洋岸を北上する時期に漁獲された 爽やかでさっぱりとした味わいのものを 「初鰹」。夏の間に餌をたっぷり食べ、秋、水温の低下に伴い南下してきたところを漁獲した こってりと濃厚な味わいのものを「戻り鰹」 と呼びます。
鰹って、ちょっとクセが強くありませんか?ツウの人はそのクセというか、香りがたまらないと仰るのですが…
あおいみみずくはどちらかと言うと、脂が乗って こってりした「戻り鰹」より、さっぱりしていてクセの少ない「初鰹」の方が好きです。
それにしても今回頂いた鰹は、鰹臭全く無し!新鮮ってこういう事でしょうか?本当にびっくりしました。
鰹と共に、活きのいい鯵のお刺身も頂きました。これも美味〜♡
日本酒と一緒に頂いて…勝浦で揚がったばかりの鰹!鯵!生酒!もう 最高!
「初鰹」を季語とした俳句を今後毎年 必ず作ろうって決意しそうな勢いです!
本当に 世にも美味しい初鰹。ご馳走様でした*\(^o^)/*

2014年4月21日月曜日

京都の美味しい思い出〜鳥岩楼

「京都」に関しては これまで「訪問地の思い出」など 色々と綴って来ましたが「食べ物」についての記事はありませんでした…あ、お酒?お酒は食べ物ではありませんから…^_^;
で、今回は あおいみみずくが美味しいって思った「食」について語っちゃおうかと思います。
京都は美味しいものいっぱいあるから…まずは…そうだなぁ…
西陣の大報恩寺近くにある(宜しければ 2月19日のブログ「大報恩寺で異星人と会話する」をご覧ください)「鳥岩楼」かな?
「お昼」に 京都にしてはお手軽な800円という値段で「親子丼」がいただけます。
「夜」は水炊き専門の料亭のようで、下ゆでした鳥を スープ(井戸水を使って新鮮なあらを6~7時間煮込んで作ったものだそうな…)で炊いた「水炊き」が 6000円からいただけるようです…が、あおいみみずく それは未体験…^_^;
お昼の時間は12:00〜14:00まで。親子丼オンリーです。(聞くところによると、お昼でも予約をすれば水炊きもいただけるようですが…未確認)


古い町屋の風情あるお店の暖簾をくぐると、「◯名様〜!」と声が飛び、中庭が望める二階のお座敷に通されます。
ちょっと待っていると 何も言わずに親子丼が運ばれて来ます。
小ぶりな親子丼ですから 大食漢には向きませんが、いわゆる"鳥専門店"ですもの!…これが 優しい味で美味しい!
最初に食べた時は、
「これほど美味しい親子丼は生まれてこのかた食べた事ない!」
って 本当に思いました。二回目からは慣れたので、そこまでは思いませんが、それでも美味しい!
一緒について来るスープは 水炊き用のものらしく 鳥の旨味がたっぷりと凝縮され 白濁しています。滋味溢れる 素材そのものの味!
たまたま同じ時間にお店にいらしていた どこぞのおじさま(京都の伏見から来たっておっしゃっていたような…) が、
「うまいなぁ…ここは遠くから来る価値がありますよね。貴女はもう何度か?」と…。
その方は、美味しいものが大好きだそうで、京都 岡崎のおうどん屋さんとか、伏見のおでん屋さんとか色々教えて下さったので、いつか行ってみたいと思います。
美味しさのあまり、ついつい他人に同意を求めたくなる「親子丼 鳥岩楼」
近くには これも京都名物、「五辻の昆布」のお店もあります。
西陣、北野天満宮辺りの散策の際は是非!


オマケ…「鳥岩楼」の近くにある「五辻の昆布」のお店です。
昆布のような 謎の建物…?
黒い部分には 窓あるのかな?
中、どうなってるのかな…?

2014年4月16日水曜日

手前味噌^ ^

一昨年の10月に「精進料理教室」で仕込み、一年間寝かせるように言われていたお味噌…
大豆を茹でて プチプチと指で 根気良く丁寧に潰し、一方で塩と麹を 拝み手でよくよくよく揉み込みます。それらを混ぜ合わせたもの…いわゆる「お味噌の"素"」を ホウロウ製の容器に入れ  昆布を乗せて、階段下収納 (みみずく家には蔵が無いもので…^_^;) に放置!
「放置期間は一年」と教わったのですが、京都への行き来もあり 解禁が今になってしまいました。
…都合 半年くらい遅れたのですが、これって大丈夫なのかな…?
遅れた分、熟成してるの…かな…^_^;
教室で造った「お味噌の"素"」は、生徒4人で分けて、それぞれの家に持って帰って寝かせることになったのですが、「手前味噌」という言葉があるように、まったく同じに造ったものでも それぞれの家々に住みついている菌によって仕上がり具合が微妙に違って来るようです。
で、こちらの写真が、我が家の菌を取り込んで?出来た「自家製お味噌」です!どんなもんでしょうか…?
ホウロウの容器から 焼酎の空き甕に移してお洒落させてみました*\(^o^)/*


なんとなく色はそれっぽいです。
香りは、すごく…何と言うか…田舎の匂い…^_^;
「良い香り」とはちょっと違うんですよね…臭いと言えば臭い。
いつもお腹を空かせた熊さんは 家に帰って来るなり、
「なんか芳ばしい匂いがする…」
って言ってましたが、芳ばしい…?いや…思うに はっきり言って微妙です。寝かせすぎたかな…
恐る恐るお味噌汁にして食べてみました…と、口を揃えて
「うわぁ〜 美味しい〜!」
いや、本当に美味しいです!匂いはイマイチですが…
なんだか凄く甘いんですよ。大豆の優しい甘さがジンワリ…
身体に優しい、いわゆる 科学的とは対極にある甘さ…でも、香りは特徴的で、しみじみ味わう素朴な田舎の ほっこり丸い味。
造り方は簡単なのですが、潰したり 揉み込んだりを 思ったより丁寧にやるので、時間は結構かかります。でも、一年後、その努力が実を結び こんなに美味しいものが出来上がるのならば、今年も頑張って造ってみようかな…
「我が家のお味噌は"超"美味しいぞぉ〜!」
これこそ 正真正銘、すっかり手前味噌でございますが…*\(^o^)/*

2014年4月11日金曜日

桜の開花と昭和記念公園

今年もまた 昭和記念公園に桜を見に行って来ました。
2011年の東日本大震災で 福島の原子力発電所が大変な事になった事について、私も含め 日本国内に住んでいる人達は 緊迫感はあったものの何気に呑気に構えていましたが、海外に住んでいる知人からは
「こちらにマンションを買って みんなでシェアして住むという選択もできる!本気だから!」
みたいな切羽詰まったメールが複数来たりして…
海外在住の方々の方が、かなりシビアに捉えていたようでした。
そんな声が飛び交い まだ毎日のように余震が続いていたあの年の春、ふと 昭和記念公園に桜を見に行きたくなったのです。
冬がやたら長く、なかなか暖かくならなくて、気持ちも暗く不安感もいっぱい…
そんな時 訪れた昭和記念公園の風景は今でも心に強烈に残っています。
訪れる人もほとんどなく、ひっそりとした公園内…
寒い日が長く続いたせいか、遅くなった桜の開花と共に、名残の梅 菜の花 ボケ 雪柳、チューリップ ムスカリ 水仙に諸葛菜などが見事 一斉に咲き揃い、青い空の高い所にうっすらと刷毛ではいた筋目のような雲が浮かんでいて、暖かい春の陽射しが降り注ぎ、それまで見たこともないくらいに美しく、平和な風景が目の前いっぱいに広がってて…
そんな中、福島で放射性物質を飛ばし続けている原発を思い、東京には住めなくなるかもしれない…こんな風景を見るのもこれで最後なのかもしれない…と、ぼんやり思いながら、あの例えようもなく美しい光景を目と心に焼き付けていました。
あの日以来、毎年 桜が咲くと 春を確認しに 昭和記念公園に行くようになりました。
福島で文字通り命がけで頑張って下さっている作業員の方々、そしてきっと目に見えない力も働いたのでしょう…奇跡的に 今日 こうして無事に東京に住むことができ、変わらず桜を見る事ができ、とても嬉しく 感謝の気持ちでいっぱいになる今日この頃です。


ところで、日本には桜の三大名木というのがあるそうで、どれも樹齢1000年を超えるそうな…スゴッ(^◇^;)

[ 三春滝桜 福島県]
別名「滝桜」と呼ばれるように 下に向かって花が咲きこぼれる"紅しだれ桜"
1922年 国の天然記念物に指定
[神代桜 山梨県]
樹齢1800年とも、2000年とも言われる "江戸ひがん桜"
1922年 国の天然記念物に指定
ヤマトタケルが東征の際に植えたもので、日蓮上人が祈りによって 衰えたこの桜を再生させたという伝説がある
[淡墨桜 岐阜県]
樹齢1500年以上の"江戸ひがん桜"
1922年 国の天然記念物に指定
別名「淡墨桜」と呼ばれ、蕾の時は薄いピンク、満開では白、散り際は淡い墨色と色が変化していく。継体天皇のお手植えという伝説がある

ふむふむ…いつかは見てみたいな…

2014年4月5日土曜日

春!「皇帝」で伸びをする

先日、3月29日、赤坂のサントリーホールで行われた
「ユベール・スダーン指揮 東京交響楽団 定期演奏会」
に行って来ました。
演目は、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第五番 変ホ長調 作品73「皇帝」
ピアノはゲルハルト・オピッツ
そして、シューベルトの交響曲第二番変ロ長調 D.125
でした。
しばらくぶりに「皇帝」を生で聴きましたが、豪華絢爛。すっきりと楽しめますね!
ベートーヴェンが協奏曲を書いたのは 彼自身の年表から言うと 初期から中期に至る時期に限られていて、この 第五番「皇帝」が最後となります。
あおいみみずく自身、最近は 少し枯れて来たのか、彼の後期と言われる時期に書かれた「ピアノソナタ」をしみじみと聴いておりましたが、たまにこのようなエネルギー漲るものを聴くと、頭でっかちをガツンとやられたようで、心が瑞々しいもので満たされます。しかも今は春ですし*\(^o^)/*
一楽章。素晴らしく派手な出だしで一気にマインドが解放され、青空に向かって大きく息をして背伸びをしたくなり…二楽章。主調から はるか離れたロ長調。曲自体 移ろいやすく、天上的・夢幻的な雰囲気が醸し出されていて 涙がこぼれそう。文句無しに美しい…ダイレクトに流れ込む三楽章では 思わず隣の人と手をつないて踊りだしたくなり…あ、というより 指揮台によじ登り、指揮棒を持って飛び跳ねたくなっちゃいます!
因みに「皇帝」という別名は、ベートーヴェン自身がつけたものではないようです。
この曲の「曲となり(?)」が、勇壮で あたかも「皇帝」連想させるようだからと、出版社のクラマーによってつけられた…いう説があったり。
いや、本当に勇壮であり雄大です。気分の良いお休みの日の朝に聴くと、一日中ハッピーに過ごせそう。このように、難しく考えずに音に身を委ねられる楽曲も良いなぁ…と、改めて感じました。


ピアノのゲルハルト・オピッツさんは、確か15〜16年前あたりだったでしょうか?NHKの番組で「ベートーヴェン ソナタ集」の演奏とレッスンをしてくださいましたよね。本当に素晴らしい番組でした…懐かしいなぁ…
ゲルハルト・オピッツの師匠はヴィルヘルム・ケンプです。「ケンプ」が弾くベートーヴェンピアノソナタの数々は、みみずく 小さい頃から何度聴いたことか…決して抒情にのめり込みすぎず、音楽をシンプルに淡々と進めていくケンプのベートーヴェンは、私にとってバイブルと言って良いものでした。
オピッツの今回のベートーヴェンも、とても誠実で 堅実で 伝統的(?)な演奏だったと思います。煌びやかさに流されることなく 全体的には品のあるベートーヴェンでしたが、オーケストラがひとたび音を離すと、飛び出したい!とばかりにエネルギーが溢れ、走り出しそうになる…おい、待て待て…と、オーケストラが捕まえる…オピッツさん自身は実年齢的には"若者"とは言われないでしょうが、その「時に溢れ出す音楽における若々しさ」を垣間見て、思わず微笑んでしまいました。
アンコールはシューベルトの劇付随音楽「ロザムンデ」からの間奏曲第3番…本当に美しい旋律。心に沁みますね…演奏会の最後はとても優しい気持ちになれました。
それにしても、久しぶりに赤坂に行きましたが 遠いですね…
東京こそ 楽しい所、素晴らしい所がたくさんあるのですが、何にしても広すぎる…
京都では ほぼ全て徒歩圏内でしたからね…ものぐさみみずくの住処としてはピッタリだったワケですよ…
でも あおいみみずく、たくさんエネルギーを頂いたので、これからの春を楽しもう!
都心でも何処でも出て行きますよ〜♡