まねき上げとは、年末恒例の「顔見世興行」を前に、出演する歌舞伎俳優の名前を書いた板を劇場の正面に掲げる伝統行事の事です。
江戸時代、歌舞伎役者は劇場との1年契約だったそうで、その年の役者をお披露目 するものが”吉例顔見世興行”でした。今は形式的な行事となっていますが、この「まねき上げ」を見ると、京都の人々は年の瀬を感じるそうです。
ちなみに看板は縦約1.8メートル、幅約30センチのヒノキ製。まねきの書体は”勘亭流”と云われ、隙間なく客席が 埋まることを願い 隙間の少ない書体で書かれます。 また、ハネは劇場に多くの人が呼び込まれるようにと、内側に向いています。
また、上がったばかりの板(まねき)に向かって、公演の成功と無事を祈願し、集まった人達と一緒に塩をまく「塩まきの儀」も行われます。聞くところによると、あちこちから容赦なく塩が降って来るので、頭が塩まみれになるとか…
今年のまねきは、南座の顔見世初登場となる 市川猿翁さんの物も含め 61枚。二代目市川猿翁さんん・四代目市川猿之助さん・九代目市川中車さん の3人同時襲名披露は顔見世初ということで、話題を呼んでいます。
あおいみみずくはその日、別の場所で楽しく飛び回っておりましたので、まねきを上げている所を実際には拝見していませんが、昨日までのスッキリしていた南座の顔が 25日の夕方に 前を通りかかると、すっかり華やかな顔になっていました。
参考までに、坂東玉三郎さんの公演に伺った時に撮った いつもの南座の写真が、11/16日にUPした「アマテラス」という記事にありますので、こちらの写真と比べてみてください。まねきが上がって華やかになった様子が こちらです。