2015年12月31日木曜日

今年もお世話になりました

ふと気づくと12月も終わり…今年もいよいよ終わってしまう。何とまぁ!
昔より時が経つのが速いなぁって、近頃よく思います。宇宙は加速膨張をしていると言いますが、そのせいで 実際に時間の進み方が速くなっているのでしょうか…??
「明日できることは今日やらない」が信条のあおいみみずくですが、そろそろ そんな風にうそぶいている場合ではなくなって来たような…
先ほど 今年の1月に書いた記事を読み返してみたのですが、新年をいかにだらだら過ごしているかという 何ともふざけた内容…>_<

☆ 人日やなまこに足の生えもして

こんな句だか何だかわからないような謎の呟きを 新年のしょっぱなに書いたせいで、Blogの更新も滞り気味になってしまったのでしょうか…反省…m(_ _)m

今年も相変わらずのグータラみみずくでしたが、お陰様でとても楽しく過ごす事ができましたし、特に今年は同年代のお友達がたくさんできました。
長いあいだ 共に時間を有して来た友というのは 何と言っても かけがえの無いものですが、全く別の場所や環境で成長し、大人になってから接点を持った同年代のお友達というのも また 面白いものですね。これまでに無かった風が吹いた感覚。新しく 見慣れない世界はとっても興味深く、音楽は勿論、趣味である茶道や俳句にも深みが増す…はず?…^_^;


さて。これまで どちらかと言うと、あおいみみずくは自分で細かく計画を立てて、それに沿って物事をこなして行くタイプでした。
「思いもかけず」とか「びっくり」などの言葉は みみずくの辞書に於いては薄〜い文字で書かれていたような気がします。つまり、ハプニングに弱い。
先が読めない様な事が起こると、その度に感覚が大きく振れ過ぎて 思考がフリーズしてしまうので、上手く文字で表現する事が出来ない…つまり 何が言いたいのかと言うと、今年Blogが滞りがちになってしまった言い訳です…^_^;
今年は主催ではなく 参加という形が多かったので、全体像がわからず 予想が立てにくく、混乱が生じ、文章にまとめるのが難しかった…と…。
でも、特に俳句においては、「驚き」をいかに客観的に表現するかが鍵となりますし…来年はどーんと構えて 少々の事では動じず、「びっくり」を楽しめるようになれればいいな。そうすれば 自ずとBlogの更新も増える と…^ ^
で、今年のピアノの生徒さん達とのクリスマス会は、お酒と食器だけ準備して、他はすっかりお任せする事にしました。
会の用意ができるまで勝手にピアノを弾いて遊んでいたら、とっても手の込んだ用意が出来上がっていて…嬉しいー♡
あおいみみずくがあれこれ手を出すよりも、ずっとずっとお洒落で素敵なクリスマス会になりました。


今年も色々な方々にすっかりお世話になりました。
本当にありがとうございました!
不束者ではございますが、来年もどうぞよろしくお願い致します!

☆ これがあの海鼠かと問ふ硬さかな
  (今年、生まれて初めて海鼠を食べたんです…というコトで 2015年、締めも なまこです(^O^)/)

2015年12月17日木曜日

12月8日に起きたこと

随分お久しぶりの投稿です^_^; お元気でいらっしゃいましたか?
前回の記事は 盛夏の京都での川床遊び。更に続けて夏の放浪旅行記シリーズを書く予定でしたが、忙しさ(ホント?)にかまけ、すっかり放置してしまいました。折角 読者でいてくださっている方々に大変申し訳なく…本当にごめんなさい。
久しぶりの投稿となる今回、旅行記の続きで浜松の鍾乳洞のお話を…と思って書きかけていたのですが、先に書きたくなった事柄があります。


今年の12月8日。この日 あおいみみずくは月例の句会に出かけました。
句会には毎回 予め作った5句を用意して参加します。今回の参加者は14人。一人5句の出句なので合計70句。いつものように この中から好きな句(今回は6句)を選ぶという作業に入りました。(句会についての詳しい記述については2014.7/12「初めての吟行句会〜4」をお読み頂けると幸いです)
みみずくも一生懸命選んだ訳ですが…この日に限ってなんだか不思議な句が多いのです。
他人の句をそのまま紹介する事はできないのですが、意味的には、例えば 「12月8日の新聞を読んだ」…とか「12月8日に何かが割れる音がした」…とか「12月8日に顔を洗った」とか…
12月8日という言葉を頭に置いた句が沢山、みみずくの目の前を通り過ぎます…なんで??
ひょっとしたら句を作るのをサボっていた人が、今日になって苦し紛れに作って提出したのかしら…(例えば)「十二月八日の飯を食いにけり」でも、十二月という季語が入るし、ちゃんと5-7-5になっているから立派な句として成立するし…。でも、安易じゃない?…^_^;
などと思いながら…不思議とは思いながら…。
そして勿論 みみずくは 12月8日とついたものは一つも選びませんでした。
その後 披講に移ります。それぞれが選んだ6句を披露するのですが、なんと、沢山の方々が12月8日の句を選んでいらっしゃるではありませんか…なんで…?
このブログを読んでくださっている方の中には すでにお判りの方も多いかと思うのですが、みみずくはこの時点でも全く訳がわからない。
披講の後の講評。なぜこの句を選んだのか、理由を皆さんがお話しくださいます。
「12月8日…何かが割れる音…本当に胸がドキっとします。忘れられない感覚です。」
「この日の思いは 決して忘れてはならないと、今 こんな時だから改めて思います」
「私達は、若い世代にしっかりとこの事を引き継がなければいけませんね…」
口々に仰るのですが、此の期に及んでもピンとこないあおいみみずく…
おずおずと手を挙げ、
「いったい今日ってなんの日ですか?」
「…!!」
「ああ…やっぱりあおいみみずくさん世代はご存知ないのですね…」
「やっぱり若い方はそうなのね…もっと話をしなければいけないですね。」(いや、そう若くはないんですが…)
ひとしきり 思いっきりざわついた後、発せられた言葉。
「真珠湾攻撃。太平洋戦争の開戦日ですよ。」
「…12月8日…だったんですね…」


あおいみみずくは今年の夏、本当に、いつもの年以上に 戦争について考えました。広島の原爆ドームにも行きました。終戦の日には映画「日本の一番長い日」も観ました。
ただ 「開戦日」というのはあまり意識にありませんでしたし、メディアなどで取り上げられる事も ほとんどなかったと思います。
でも、終戦があるのだから開戦がある…忘れてはならない日です。何故あまり話題にならないのか…。
また、満州事変や、日清、日露、日中…アメリカを攻撃する背景となったこれらの戦争についても あまり語られる事はない様に思います。
日中戦争を含め、アジア太平洋戦争における戦没者は約230万人。戦災死亡者や外地での一般死亡者を合わせると、この戦いで310万人以上の日本人が死亡したとされています。また、諸説はありますが アジア諸国における犠牲者は3000万人とも言われています。
戦後70年。現在では多くの日本人が戦争を知らない世代です。戦争で誰も殺されない、殺さない…あたりまえだと思っています。
祖父は戦病死しましたが、あおいみみずく自身は 完璧に戦争とは無縁でした。世界中を見渡した時、それがどれほどかけがえのない時間であったのか…この先もそうあり続ける事ができるのか…
終戦の日だけではない 節目節目に、考えたり議論する時間を設ける事がとても大切なのではないかと感じます。


12月8日。この日はジョン・レノンの亡くなった日でもあります。
彼の代表曲「イマジン」
忌野清志郎さんが日本語の素晴らしい歌詞(訳)で歌ってくださっています。あおいみみずくは、この清志郎さんが歌うイマジンが大好きです。

天国は無い ただ空があるだけ
国境も無い ただ地球があるだけ

来年は私も12月8日の句を作ってみようと思います。

2015年10月1日木曜日

京の鴨川納涼川床で

なんと もう10月!夏の旅のあれこれを記事にしようと思っていたのに のんびりしすぎて いつの間にかすっかり秋も深まってしまったではありませんか。涼しい秋風のなか、暑かった夏を思い出すひととき…まあ これも一興という事で お付き合いください…(^◇^;)

8月の初め 広島でふらふらしていた あおいみみずくですが、東京に戻る道すがら、せっかくなので京都に寄り道してしまいました。
京都の夏の暑さというのは独特で 大変有名ですよね。
周りを山に囲まれた京都は、一旦温められた空気の逃げ場が無いために熱い空気が淀んだままになってしまいます。更に海からも遠いため、海風も入り辛く 夜になっても冷えないために 気温はずっと高いまま…
そんな 夏の盛りの京都行き を友人に話したところ、なんと物好きな!という声しきり。
あまりにも皆に変人扱いされるので 捻り出した理由が「夏にしか楽しめない 京の川床遊び」だった訳です。
…え?「鴨川の川床は 暑さの落ち着いた9月の方が良いよ〜」とか言ってる人!いけずー >_<

京都に着いたあおいみみずく。やっぱり暑い!なんですかこの蒸し暑さ…京都の地下に大量に溜まっている水が この暑さで蒸発しているのか、シウマイになって蒸されている気分。
立っているだけで眩暈がしそうな暑さに負けて、今回はあまりあちこち動かずに 川床遊びに集中することに決めました。


鴨川の川べりには ずらりと川床が並び、誠に京都らしい景色ではあります。曇っているせいか写真では さほど暑さは感じられないのですが なんのなんの…3歩行けば遭難しそう…
川沿いを歩けば幾分 風を感じますが、生ぬる〜く緩い風。これって 夕方になれば涼しい風に変わるのかなぁ… ?川床の予約は18時30分。雨の心配はなさそうですが、ムンムンする外でのお食事って微妙…
すっかり文明世界に染まっているあおいみみずくです。暮れなずむ鴨川の慕情…よりもエアコンに軍配かなぁ…う〜む…
「 川床や…頑張れみみずく…やせ我慢!」
これだって 一応俳句ですよ。川床って夏の季語だし…あ〜暑さで頭がやられて こんなのしか出てこない…あれ?五.八.五…ダメだ (^^;;


さて。今回 川床デビューにあたりお邪魔させていただいたお店は「Tazuru Annex 仙鶴」
四条通りから五条方面に下った木屋町にあり、繁華街から少し離れているので静かです。
このお店に決めたポイントは 時間制限がなく ゆっくりできることと、ある程度カジュアルな値段設定。それからテーブル席でお食事が頂けるという点。だってみみずく 正座がめっぽう苦手なんだもの。茶道が趣味ではありますが、こればかりは如何ともし難い…>_<
お食事が始まった時間は 太陽こそ陰ってきたものの、風もあまり無く どうなる事かと思ったのですが、19時過ぎた頃からでしょうか…川の水で冷やされた風が 急に強く吹き出しました。これがけっこう涼しい。ゆっくりと暮れゆく空。山を望む鴨川の景…山紫水明の世界…日が落ちれば、ちょっと距離はあるものの 対岸にはライトアップされた歌舞伎座がぼんやりと宵闇に浮かび…おぉ!素敵ではないですか!
頂くのは見た目にも涼やかで 美しいお料理の数々。品数も多く、一皿づつゆっくりと味わいます。お酒も少々…これこれ!これが川床の醍醐味ですよ!
京の雅を心ゆくまでゆっくりと堪能させていただきました。
ほらね!暑い最中とは言っても やっぱり京都ってステキ♡


幸せな時間は 明日の貴船の川床に続いちゃうワケです…が、その前に…。
四条から花見小路を少し上ったところの路地裏にある あおいみみずくお気に入りの「祇をん ひつじカフェ」にてひとくちシュークリームをパクつき、本日の締めとさせていただきました (^o^)/

2015年9月12日土曜日

一寸の虫にも‥

二週間ほどでしたが、毎日毎日 鳴いてくれていた鈴虫が、今朝は鳴きません。
昨夜、ギシギシ…という掠れたような音と共に、それでも懸命に鳴いてくれていたのに…
朝、水を取り替える時に確認したら、生きてはいるのですが もう手足に力が入らないのか、止まり木に這い上った…と思ったらコロンって水の入れ物の中に落ち、あっぷあっぷしていて…
慌てて救助したら 餌の上に行き、一安心。
ヨロヨロしているから 命の終わりは近いのかもしれません。

この鈴虫達は 二週間ほど前、お茶の先生のお宅からやって来ました。
お稽古の最中、庭にある腰掛けあたりから何とも良い声が聞こえて来て…。つい お点前の手を止めて うっとり聞き入ってしまい、
「なんて素敵な声でしょう…」
と 思わず口にしたところ、
「主人が虫の音を聞く会に入っていて、毎年たくさん育てているから、良かったら持ってらっしゃい。」
と、わざわざお子さんが使っていた虫かごを探し出してくださって、餌までつけて 快く分けくださいました。


本当のところ、これまでかなり小さな時分にはカブトムシか何かを飼っていたような覚えがあるのですが、このところ虫なんて怖いばかりで、どうして良いかわからず…
とりあえず水と、頂いた餌を取り替え、霧吹きで 土と止まり木を湿らせ 直射日光に当てず…
すると ここが気に入って良い気分なのか 大きな声で機嫌良く鳴くのです。
最初は玄関に置いていたのですが、人が出入りする度にパッと点く電灯にびっくりするのか パタと泣き止み…またしばらくすると鳴く…
玄関ではかわいそう…?と、寝室に持って行ったり和室に置いたり。虫かごを抱えてあっちこっち。
こちらの苦労がわかるのか、本当に美しい声で、もう休んだら?っていうくらい 鳴いてくれました。
頂いた最初はまだ子供だったのかな?ぎこちなくリーンリーンと、やっと2セット。
それが日に日に3セット4セットと増え、誇らしく高らかに。
でも、一週間を過ぎたくらいからだんだん雑音が混じるようになり、音もガサガサになって来て…。それでも諦めずに一生懸命鳴くのですよ。一昨日はガサガサな声で2セット。
もうダメかなぁ?って思ったら、昨日はガサガサな声で4セット!
そして今朝は鳴きません。
命ある限り その時にでき得る限り一生懸命歌い、最後まで懸命に生きて鳴く…
この世の全てのものに仏性があると言いますが、本当にこんな小さな虫の生き方にも思わず感動させられてしまいます。


小さな虫かごに閉じ込められていて、彼らは幸せなのかな?せめて最後に…今から外に放してやった方がいいのかな?でも あっという間に捕食されちゃうかな?
と 色々考え、それを思わず昨日いらしたピアノの生徒さんに話したら、彼はしばらく考えて、
「本来はこのままにして 死んでしまったら埋めるのでしょうが、宮沢賢治の銀河鉄道の夜でしたか…サソリのお話もありますしね…」
「サソリのお話?」
「自分がイタチに食われそうになって 命からがら逃げ出した後、水に落ちて亡くなる時に思うんです。こんなに無意味に死ぬのならば、なんであの時この身をイタチにくれてやらなかったのか?って。そしたらイタチは一日生き延びられたのにって…。自然界では食物連鎖の一つになるのも ひょっとしたら幸せと言えば幸せなのかもしれませんね。」
「…。」
さて どうしましょうか…

そう言えば、今月21日は 賢治の命日。賢治忌ですね…
小さな虫ももちろんですが、私の周りには 本当に沢山の学ばせて頂くべき人がいらっしゃいます。

お日様も陰って来ました。本当ならもうそろそろ歌う時間です。
鈴虫は微かにギッギッと言ったきり…静かな夜です。

☆  鈴虫の昨夜を終に鳴ききりぬ

2015年9月8日火曜日

船で潜りし大鳥居!

今更ながらって感じですが、安芸の宮島…「宮島」っていう島があるんですね?…知らなかった〜!
厳島神社という名前は勿論 存じておりますよ。海の中に大きな鳥居があるんですよね。
平清盛による庇護のもと 発展した神社。清盛が奉納した 豪華な装飾が施された「平家納経」…あおいみみずくはNHK大河ドラマ「平清盛」フリークでしたもの。そこは知ってますよ。
でも 宮島って…宮島(厳島)という島が瀬戸内海にあって、古代より島全体が神様として崇められていた…
「厳島」の語源は「神に斎く(いつく=仕える)島」で、この島こそが神社!へぇ〜(^_^;)

広島駅からJR山陽本線で約30分。宮島口駅下車。
後で知ったのですが、ここの駅前には「うえの」という とっても美味しいあなご飯のお店があるんですって!明治時代創業で この地でしか食べられないそうですよ。お店で食べるには いつも混雑していて 厳しいようですが、駅弁も販売していて そちらも絶品だとか。
お店の前を通ったというのに 知らなかったので 食べ損ねてしまいました…


宮島口駅前の道をまっすぐ進むと、JRフェリーがまるで口を開けているかの如く 待ちかまえていました。運賃は片道180円…安い…(^^;;
乗り込んで待つものの 出航時間が過ぎても一向に出発しない…同じJRなのに、電車と違って 船の時間って かなりアバウト?って思っていたら、「間もなく到着します」とアナウンス…え?動いてたの?
出航の合図もないし 夜だったので景色が見えなかったせいか、動いているという感覚が全く無し。船はまさに油の上を滑るように夜の海を進み、いつの間にか宮島に到着しておりました。
ちょうど満ち潮の時間でしたので  厳島神社のシンボル「大鳥居」が海に浸かっています。


さすが 高さ16m! 堂々たるものですね。
この鳥居は 海底深く埋められている訳ではないそうです。この大鳥居自身の重みや構造によって自立していて、大波にも台風にも倒れることがないそうな…すごいなぁ…
折から吹く海からの風が なんとも気持ち良い…

☆満ち潮に浸かる鳥居や盆の風

今回は満潮時に伺いましたが、干潮時にはこの大鳥居まで歩いて渡れるようです。
どちらがステキかは意見の分かれるところらしいのですが、この様にライトアップされて、海に浮かんでいるかの如き 大鳥居の風情…とても神秘的でした。
でも満潮だからこの鳥居に近づくことができない?…できるんですよね〜
ナイトクルーズ船がちゃんと航行しているんです。クルーズ船っていうか、屋形船ですが…


この船で大鳥居を目指します!
海の参道を通るなんて ロマンチックですよね。
船はゆっくりゆっくり 鳥居に近づきます…そしてくぐりながら見上げる!

☆ 月白や船でくぐりし大鳥居

月白(つきしろ)とは 「月が東の空を昇って行く際、あたりが白んで見える」
というロマンチックこの上ない秋の季語です。
この写真では 日もとっぷりと暮れ、月は昇りきってしまっておりますが…まあそこはご容赦を(^^;;


今回は 夜もかなり更けてからの宮島上陸でしたので、ナイトクルーズのみ。肝心の厳島神社本殿への参拝は叶いませんでした。
残念ではありましたが、宮島口駅前のあなご弁当と合わせて、また行く楽しみが残りましたもの。次回は宮島にじっくりと滞在して 楽しみたいと思います。
もちろん、今回 東京でお留守番だった「いつもお腹を空かせた熊さん」と一緒にね^_−☆

2015年8月25日火曜日

原爆忌

8月も終わりに近づいてきました。
ここのところ、いくらか暑さも和らぎ、朝はちょっとひんやりしてきましたね。終わりがけの芙蓉の花が、ぼうっと白く咲いています。
またまたしばらくご無沙汰しておりました あおいみみずく、8月の中盤、広島、京都、名古屋、浜松と、松尾芭蕉よろしく放浪しておりました。

1945年8月6日 広島にウラン型、8月9日は長崎に プルトニウム型という 種類の違う二つの原子爆弾が投下されました。今日の平和を当たり前のように感じている私達。この二つの日付を知らない人が かなり多いということを、報道番組で知りました。「戦争というのは過去のある時点におきたこと。これからを生きる私達には関係がないこと…」と、戦争の記憶が遠く遠くなって行くというのは、ある意味 本当に幸せなことです。ただ、このところ 急に「戦争」という言葉が頻繁に耳に入るようになり、お腹の辺りがざわざわしています。
そんな今年、2015年8月9日 。あおいみみずくは広島の平和公園と、原爆資料館におりました。
広島に行くのは初めてでした。市街地は、整然としていてとても綺麗。特に平和公園、原爆ドームのあたりは整備が行き届いた とても美しい公園となっていました。
川沿いの遊歩道には日本人のみならず、たくさんの外国からの方々がおられ、70年前、この街が、この川がどんな状態だったのか 想像すらできないほどでした。


広島における原子爆弾の爆心地、原爆ドームの周りでは たくさんの方々が熱心に資料を読んでいらっしゃいました。
欧米の方、それからインドの方が多かったような印象です。
原爆ドームは 何度かTVの映像や、写真で見たことがあります。ただ、やはり現地でそのものを感じると 声も出ない衝撃がありました。
経年劣化の影響もあるのでしょうが、崩れ果てたコンクリートの塊があちこちに…煉瓦は朽ち落ちています。当時最先端の頑丈な建物であったと推測される鉄筋の骨組みは ひしゃげています。
1945年。その日の空も青かったと聞いています。今年も雲のほとんどない青空。暑い暑い日光がギラギラ照りつけるなか、立ち尽くしてしまいました。
原爆ドームこそ 当時を伝えていますが、すっかり焼け尽くされ 何もなくなったこの地に、新しい街は作られました。この地で亡くなった数え切れない命の灰の上に…あまりにも悲しく美しく 広島の街が広がっています…


元安橋近くの川縁では、高校生が平和の歌を合唱していました。高校生の若々しく高いトーンの声が風に乗って対岸の私達の耳に届きました。
原爆資料館には本当に沢山の方々がいらっしゃってました。入場者の過半数は外国からの方々のようでした。願わくば、世界中の人達が70年前に何が起こったのかを知ってほしい。そして、人類が人類に対して行った究極の非人道的な行いを 記憶に留めてほしいと、心から思いました。
戦争ということを「そんな史実があった…」とだけ考えて育ってくる事ができた私は、本当に幸せです。
色々考える夏になりました…


8月22日に、金田賢一さんと丸尾めぐみさんのユニット 朗読三昧を聞きに行きました。(ゲストは シンガーソングライター  福山竜一さん)
演目にあった「まっ黒なおべんとう」
朝、お母さんが持たせてくれたお弁当を、食べることなく亡くなった中学生の男の子 折免滋君のお話でした。70年経って未だ食べられることもなく、真っ黒に炭化したお弁当の中身。アルマイトのお弁当箱の鈍い銀色…男の子はそのお弁当をしっかり抱えて白骨になっていたということです。
原爆資料館に展示されていた真っ黒なお弁当は、今後も食べられることなく、私達に核兵器の恐ろしさを伝え続けて行きます。

2015年7月14日火曜日

新緑の小布施にて 2

つづき
さくらんぼ狩りって今の短い期間にしかやってないそうです。まさに旬!
お店でパックに入って売られているものしか見たことがありませんでしたが、実際、こんな風になるんですね…瑞々しく美しい…まるで宝石が辺り一面 キラキラとぶら下がっているみたい。
お天気はあいにくの雨でしたが、ビニールハウスの中でしたので、濡れることなく思う存分食べられました。
時間制限はありましたが、食べ放題って…幸せ〜♡


ところで、実は小布施にはいつもお腹を空かせた熊さんの親戚がおりまして、ワイナリーをやっているんです。
殺虫剤 除草剤 現代除菌剤 何れも不使用の有機農法で葡萄を育て、無補酸、無補糖、天然酵母で発酵させるという…本当に手間暇かけて とても美味しいワインを作っています。
熊さんの従兄弟にあたる造り手さんが、醸造所の中を案内してくださったのですが、説明を聞けば聞くほど まるで哲学者にお話しいただいているように感じられました。
心血注いだワイン造り…葡萄の葉からいちいち青虫を手で取り除いたり…というか、ただ排除ということではなく、自然との共存も意識しながら わざと少し草を刈り残し、そちらに虫たちを移動させたり…。
現代の科学薬品などを駆使し、近代化を図れば手間は圧倒的にかからなくなるのでしょうが、それでは自分の理想とするものから遠のくということで、逆に昔の製法に近づけていっているようです。
自然の恵みに感謝し、自然と対話 共存しながら もの造りをし、提供する…という心を本当にひしひしと感じるとともに、彼の背中がとても大きく感じられました。

☆ 肩幅の広き従兄弟や葡萄畑


なんと、ラベルも手作りだそうですよ^ ^りんごジュースも信じられないほど美味しい!!
現在はワイナリーメインですが、もともとは造り酒屋です。美味しい日本酒を作ってました…というか、実は今でも少しだけ日本酒を作っています。
採算度外視、従って趣味の域だそうですが、これがまた絶品!
作る量がとても少ないので、市場に出るとあっという間に売り切れてしまうようですが…
フルーティーで、味わいがしっかり。鼻腔に抜けるふくよかな香り…
なんといっても、このお酒の名前ってば「サケ・エロティック」っていうんです。
本当に官能的な香り。ボトルもお洒落〜♡


お店ではワインなどの試飲もできます。たくさん試させていただいたら本当に美味しくって、思わずお土産をたくさん買って(お土産として頂いたものも多数…^_^;)…現在は

☆ 気がつけば酒いっぱいの冷蔵庫

おお!なんと幸せなんでしょう♡ 

2015年6月29日月曜日

新緑の小布施にて 1

雨にぬれ、青葉輝く季節になりました。
とは言え、梅雨独特の 何やら湿っぽい複雑な匂いが漂う今日この頃。
気圧が安定しない感じなので、せっかく綺麗な紫陽花が咲いているのを見ても ちょっと不調で生あくびばかり…

☆ 紫陽花を見て生あくびばかりして…^_^;

そんな中、あおいみみずくは 小布施に行ってまいりました。
小布施に行くのは初めてのことだったのですが、長野駅から小布施駅に向かう長野電鉄の車窓には ずっと果樹園が続いていて 本当に長閑。あまり見たことのない景色に癒されたぁ〜^ ^
葡萄 栗 葡萄 栗…時々りんごにあんず…そして、緑のなんて美しいこと…
梅雨らしく、少し雨がぱらついていたのですが、植物の緑は、雨にぬれると一段と明るく映えますね。

☆ 重なりて影さし合うや青楓


小布施は、天保の飢饉で娯楽が制限され、思うように絵の描けなくなって江戸を離れた葛飾北斎がこの地の豪農商 高山鴻山の別棟をアトリエとして長く逗留していた場所ということです。
そんな訳で 街の中心部には立派な北斎記念館があり、版画だけではなく、肉筆画40点あまりが展示されており、版画以上の迫力で迫って来ます。
特に この地で描かれた「龍」「鳳凰」や、「男波」「女波」(上町祭屋台天井画)という 北斎晩年に制作された天井画は、まだまだ 生気漲る 思い溢れる作品で、人間の魂の底力をまざまざと感じさせられました。

☆人魂で行く気散じや夏野原

これは北斎辞世の句です。死んだ後は、人魂にでもなって、夏野原を飛んで回ろうか…といった飄々としたものです。ただ 90歳で亡くなる際の臨終の言葉は

「天我をして五年後の命を保ためしや  真正の画工なるを得べし」
…天があと五年私を生かしてくれれば、私は本物の画工になれただろう…

であったということで、実際 北斎の肉筆画からは、身体は老いても 尚いっそう、上へ上へと向かいたい…という彼の情熱と迫力が伝わってきました。
因みに北斎は画号を色々と変えているようですが、最後の画号は「画狂老人卍」だそうで…^_^;
畏れ多いことですが、ちょっぴり親しみを感じたりして…


さて、小布施と聞いてまず思い出されるのは「栗」
でも、もちろん栗だけではありません。葡萄にりんご、あんずにさくらんぼ!
さくらんぼ狩りにも行きました。

…という訳で次回につづく

2015年5月25日月曜日

下北沢の朗読会

ゴールデンウイーク‥あっという間に終わってしまいました…というか、終わってからずいぶん日が経ち…皆様お元気でお過ごしでしょうか?
例年にない この時期の忙しさと暑さに あおいみみずくはちょっとバテております…が、ちょいバテくらいが いつもの体調だったりする今日この頃…寄る年波でしょうか?
色々バタバタしていて、あっという間に過ぎ去った5月。そんな中、中学時代の同級生との絡みで 楽しいイベントもありました。本日は下北沢で行われた朗読会のお話です。

「朗読三昧」と銘打たれたこの会は、俳優の金田賢一さんと 音楽家の丸尾めぐみさんがユニットを組み、定期的に行っていらっしゃる朗読会です。開催場所は下北沢のスタジオでしたが、毎回決まった場所でという事ではなく、横浜や目黒、築地など、その都度あちこちで開催されているようです。
今回の朗読は、松尾芭蕉の「おくのほそ道」や、山本周五郎の「かあちゃん」他。俳句勉強中のみみずくが初参加する会の演目としては まさにグッドタイミング!嬉しい嬉しい^o^
「おくのほそ道」は 何度か読みましたが、音に乗せた朗読を聴くと 今まで感じていたイメージとはまた違った世界観を楽しむ事ができました。


あおいみみずくは 「幽玄」という感覚が好きです。なので この「おくのほそ道」にもその感覚を求めてしまい、紀行文としてよりも
「墨染の衣を纏い 笠を背負った芭蕉と曾良が、西行法師の想いを彷彿とさせる 見えないものを見る旅…鎮魂の旅へ出かけた…」
という感覚で読みたく…。
これまでは どうしても行程の辛さや苦しさを感じさせる 平泉到達までの前半を中心に据えて味わっておりました。従って あおいみみずく的クライマックスは

夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡 (芭蕉)
卯の花に兼房みゆる白毛かな (曾良)

この「平泉」の後から 芭蕉の句は、ある種の軽やかさと諧謔的な味わいが感じられる様になります。考えてみると これ以降に沢山の名句と言われるものがあり、それこそ芭蕉の真骨頂のような…

蚤虱馬の尿(しと)する枕もと
閑さや岩にしみ入蝉の声
一家(ひとつや)に遊女もねたり萩と月

今回は ちょっとはしょった所もありましたが あらかた通しで朗読して頂けたので、改めて紀行文的側面や 諧謔的軽やかさを感じる事ができました。忘れていた感覚…
漂流する吟遊詩人といった感じの「芭蕉」は、幽玄と共にユーモア(遊び)も併せ持っていた…深くて軽い…。だからこそ いつの時代においても 市井の人々に受け入れられ、絶える事のない輝きを発しているのでしょうね。

雲の峯幾つ崩て月の山
蛤のふたみに分れ行秋ぞ

この二句は特に好きだなぁ…見えないものが見える気がする…


それにしても、こんな素敵な会に連れて行ってくださったのは、同級会で36年ぶりに再会した中学2年の時のクラスメイト(WAO!みみずくの歳がバレる^_^;)
その当時 会話を交わしたという記憶さえ無く…まさかこんな日が来るとは思ってもいなかったのですが…本当に不思議でありがたい事です。
縁は消滅してはいなかった…これも見えないものが見えた一種って事でしょうか…で 一句

☆ 時を超え酌み交わしたりハイボール

結局 最後は飲むワケです…^_^;

2015年4月26日日曜日

花満ち満ちる大通り

春もたけなわですね。東京も花満ちる春。
桜吹雪の後、街にはチューリップやムスカリ、芝桜など次々と咲き始め、現在は花水木が満開。街には花が満ちています。
日射しから始まった春が 色彩を持ち、実態を伴ってくる様を日に日に感じる今日この頃です。
国立(くにたち)の大学通りの桜を愛でて、その後 昭和記念公園で花の中を散歩する…というのが 毎年恒例のあおいみみずく的春の過ごし方で、もう かれこれ30回以上 このパターンで春を感じております。
国立駅は線路の高架工事に伴って、新しい駅舎になりました。
以前は北口と南口が分断されていて 行き来ができ難く 多少 不便でしたが、現在はすっかり自由に通り抜けできる様になりました。ただし、この駅舎のデザインは不満です。
以前の国立駅は赤い三角屋根の小さな駅舎で、大学通りから望む景色は 青い空をバックに可愛い赤い三角形が映え、長閑なのんびりとしたものでした。が、ある時 突然北口駅前に大きなマンションが立ち並び、その風景が一変。背景の青空がなくなりました。
それだけでもかなりショックでしたが、その後 三角屋根の駅舎は無くなり、機能的ではあれど 無機質な どこにでもあるような駅舎になってしまいました。
時代の流れとは思うのですが、寂しいですね…


今年の桜は 開花した途端、暖かい日がしばらく続いたので、あっという間に満開となり、満開になったかと思ったら、強い風に煽られて、あっという間に散ってしまいました。
桜並木を歩くと、とても嬉しいのですが、そこはかとない寂しさも感じてしまいます。
染井吉野の色が、少し灰味がかった控えめな色だからかしら…
春霞の中に咲く桜は まるで幻のようです。人の一生を感じさせらる…泡沫の夢…

☆ 灰色の空いつぱいの桜かな

初めて国立の桜並木を歩いたのは、一昨年に亡くなった友人と一緒でした。
高校からの親友で、何をするにも一緒。
大学進学を機に、共に愛知県から出てきて 東京の街をあちこち探検しました。
表参道も、竹下通りも、新宿も、上野公園の美術館も…初めて行ったのは 全て彼女とでした。
吉祥寺の喫茶店を巡り、煙草も吸わないのに マッチを沢山 集めたなぁ…
国立の大学通りを歩き、一橋大学の兼松講堂の前で写真を撮って、ひつじ工芸というお店で小さなガラス細工を買って…本当に楽しい思い出。
彼女が突然亡くなってから、春 国立の桜が咲くと、綺麗だな…っていう気持ちと 寂しい気持ちが入り混じります。今は 寂しさの方が勝るかな…

☆ 亡き友と語らひ歩く花の下


今年に入ってから 中学時代のクラス会のお知らせがありました。
愛知県での開催だったので、遠いし どうしよう…と 思ったのですが、開催日が祖母の法事の前日だったので、帰省がてら出席する事ができました。
それこそ35年ぶりに懐かしい顔に再会できて、古くも新しい方々と再び繋がる事ができました。
共に登下校したお友達と 再び会い 言葉を交わす事もでき、本当に嬉しかった。
クラス会の日は 3月7日。実は その日は祖母と亡くなった友人の誕生日だったんです。
友人とおばあちゃんが「これからも楽しく頑張れ!」って、エールを送ってくれたのかな…

☆ 熱燗や三十五年ぶりに会ひ

2015年3月29日日曜日

北窓開く

しばらくご無沙汰いたしておりましたが、その間 春はいっそう進んだようです。
いつの間にか 梅の花は盛りを過ぎ、木蓮は天に向かって花を開き、沈丁花の良い香りが街中に漂い始めました。
ただ 三寒四温とはよく言ったもので、近頃は「ちょっと暖かいかな?」と気を緩めた途端、次の日は冴返る…体調を整えるのが大変ですよね。
前回のBlogで「春は光からやって来る」と書いたのですが、春が深まって来ると 透き通ってキラキラしていた光が次第に濁って感じられます…「濁る」という表現は美しくないですね?…「霞む」の方が良いかしら?町がうっすら霞んで見えます。
日本語には「春霞」という美しい言葉がありまよね。
「霧」や「霞」とはウィキペディアによると、
「大気中の水分が植物の蒸散が活発化するなどの要因によって増え、気温の低下などによって微粒子状となり、目に見える状態になる。昼と夜の変わり目で気温差の大きい日に起こりやすい。」
とありました。
この状態は「春」という時期に特に起こりやすいので「春霞」という言葉があるのですね。
「春霞」という言葉の響き自体は大変美しいので、「大気中の水分が微粒子状になる」という事で一件落着としたいのですが…でもやはり 今の時期、埃っぽくありませんか?
春は秋と違って朝だけではなく一日中霞んでいる印象です。水分だけではなく、スギ花粉と黄砂と埃がモワッと一面に漂っている感じ…目がチカチカ痛いし 喉はガラガラ 髪の毛を毎日洗わずにいられない…これが「春霞」の正体だったりして…
スギ花粉というのは現代の困り者ですが、黄砂はずっと前の時代から飛んで来ていそうですよね。
そういえば、あおいみみずくが大好きだった NHK大河ドラマ「平清盛」…
画面に平安時代っぽさを出すために、コーンスターチを扇風機で漂わせて わざと白く霞ませた映像を撮った という話を聞いた事があります。
平安時代は道も舗装されてないし、火を焚けば煙モクモク…相当埃っぽかったで事しょうね。おまけに春は中国からの黄砂来襲。町はいちだんと埃でいっぱい…で、これこそが「春霞…」
「悪環境」を「素敵!」に変えてしまう、これぞ平安人の雅!…と、一人(一羽?)納得のみみずく…
それにしても、春って 気温も気圧も安定せず、喉イガイガで、調子イマイチ。桜が咲くという大イベントがなければ かなり憂鬱な季節だったりして…(^^;;


いえいえ 前向きに行きましょう!
冬の季語に「北窓塞ぐ」という言葉があります。
言葉の通り、寒風を防ぐために 冬の間 北向きの窓を板や鎧戸で塞ぐという意味です。
冬の間 閉めきってていた窓。春には開けましょう!
「北窓開く」…こちらは春の季語です。
あおいみみずくの住処から1分も行かないところから、富士山が拝めます。
春の霞に輪郭が少しぼうっとぼやけ、山の稜線は滲んで見えますが、その様子がとても穏やかな山の風情となっています。春の優しい富士山です。
みみずく家の北窓から見えると仮定して…

 ☆ 北窓を開け富士山を拝みける

え…なになに?うちのいつもお腹を空かせた熊が一句作ったって言ってます…?

 ☆ このところ頭の中が春霞

うーん…(^^;; 
あ!上の写真は「ボケの花」です (⌒-⌒; )

2015年2月17日火曜日

春は光から

2月4日は「立春」でした。
「立春」…文字通り「春の立つ日」なのですが、それからしばらくの間は まだまだひどく寒いし…
毎年 2月というのは なんとなく気持ちも暗く どんよりしていました…が、昨年より俳句を始めたあおいみみずく*\(^o^)/*今年の立春以降は やはり少し心持ちが違うような気がするのです!
俳句の季語に「春光」という言葉があります。この言葉を知っての今年…2月の光の見え方がいつもとは違うような…「春光」という意識で光を見ているからなのか、1月の光とは波長が違って感じられるのです。
何だろう…含まれているスペクトルが多いというか…煌めいているというか…
立春過ぎの2月9日に 群馬県の富岡製糸場に吟行に行ったのですが、その道中に車窓から眺めた風景は 春光を浴びて本当に輝いて見えました。
特に高崎駅から上州富岡駅まで乗車した「上信電鉄」の車窓から見た鏑川 (かぶらがわ) は本当に素敵!水面が春光を反射してキラキラ光る様は、うっとり見入ってしまう風景でした。
上信電鉄はのんびり ほっこりして 本当に癒されます。単線路なのかしら…?両側から藪がおっ被さって(!)来て、ちょっとドキドキする場所を通り過ぎると 急に目の前が開け、光る川が眼下に…かと思うと 農家のすぐ裏庭を通り抜け…垣根には真っ赤な椿が咲いていて…蠟梅に満作の花…電車の中は程よく暖房が効いて、春の陽射しは何となく熱く…
あおいみみずくの住処から電車で富岡製糸場に行くには、車だと割と近いのですが、電車だと かなり大回りになってしまうので、実を言うと 当日まで出掛けるのが かなり億劫でした。ですが、この春の陽射しを浴びた小旅行は とても気持ちの優しくなれる なんとも良い時間となりました。
目的地「富岡製糸場」も 世界遺産という事で歴史的にも価値があり面白かったのですが、みみずく的にはむしろ そこまでの道中の方が心に残ったかな(^^)
とはいえ、折角なので製糸場で一句

☆ 春光や工場前の丸ポスト


そんな経験をした後、我が住処に午前中射し込む この時期の光がとても美しい事に 今更ながら気がついた あおいみみずく…
ピアノの生徒さんが朝9時からいらっしゃる日があるのですが、彼女が弾くラヴェル作曲の「クープランの墓」が 窓から射し込む朝日と相まって、ちょっと涙が出てきそうになりました。
なんて美しい光…なんて美しい音楽…
春はまず 光からやって来るんですね。
あおいみみずく これまで嫌いと言って憚らなかった2月ですが、ちょっぴり好きになりそうです!

2015年1月28日水曜日

初釜

先日、初釜に行って来ました。
初釜とは 新年最初に行われる 新たなる年をお祝いするお茶会です。
床の間には結び柳と椿が生けられ 華やかな飾り付け。新しい一年に期待する高揚感を感じさせられます。
今回は新宿の懐石料理のお店で お茶室をお借りしての集まりでしたので、席入りから炭手前、懐石料理をいただいた後 席を改めて重ね茶碗でのお濃茶 続いてのお薄と、一連のお茶事の流れに沿ったものでした。
一月に入ってからなんだかんだダラダラとしていた気持ちを引き締めるためにも、頑張って着物を着て このようなお茶会に出席できるのはとても幸せな事です。
あおいみみずくは 今回はお客として参加させて頂きました。
お茶をいただくには勿論 作法があるのですが、懐石料理を戴くにも作法があります。みみずくのお茶の嗜み具合は まだまだ初歩段階。かなりの緊張感…「お料理を楽しく美味しく味わって食べる」という感じではありません。
最初 お箸を取り上げる所から 最後 お箸を置く所まで、諸先輩方の所作を横目で確認しながら 必死でついて行く状態で…とても味わうどころではありません。
いつの日にか「ああ、美味しい!」って心から思えるようになりたいものです…
そうは言っても やっぱりこの緊張感って ある意味好きかも…
「修行」という感じで一連のお茶事の流れを追いかけながら 背筋が伸びて行く感じがあり、この何とも言えない感覚が好き…言うなれば これは「禅」の感覚なのかもしれません。
初釜後 住処に戻ったみみずくは、疲れ果て モノも言えずに爆睡してしまいましたが、心を整えたところで また新たな一年を歩んで行こうと 少し前向きに決意…って…実はもう少しで2月…
やっぱりあおいみみずくは 人並みより随分遅れたのんびりみみずくでした…(^^;;

2015年1月18日日曜日

スカイツリーの上から

先日…とは言っても、昨年になってしまうのですが…暮れに、友人とスカイツリーに行って来ました。
スカイツリーは着工が2008年7月14日。3年半後の2012年2月29日竣工し、2012年5月22日に展望台として開業しました。
開業してすぐは展望台に上がるのに大混雑。チケットを買うのも エレベーターに乗るのも長蛇の列…という事だったので、一応 東京人のあおいみみずくは しばらく様子を伺っておりました。
で、あれから2年半経つし、そろそろ混雑も収まった頃かしら…?という事で、いよいよ出かける事にした訳です。今回の同行者は ももんがとまぁちゃん。
前日、ももんがからメール。集合は現地に朝の9時!…ちょっと早いのですが ツリー自体は 朝8時から開業しているという事で、混雑前に登る計画だそうです。
9時に着いてみると、展望台のチケット売り場は土曜日というのに思ったほどの混雑は なし。
並ぶこともなく、すんなりとチケットをゲットできました。
で、みみずくは早速 こちらのエレベーターの素晴らしさに感激!
地上4階から高さ350mにある第一展望台までは、40人乗りの東芝製エレベーターが分速600mという速さで登ります。この間 たった50秒!
凄い速さなのですが、これがビクとも揺れず 本当に滑らか。
一般的なエレベーターって、希望階に着くと扉が開くまでに少し間がありますよね。あおいみみずくはそれにちょっとした緊張感というか恐怖感を覚えるのですが、その嫌な間が一切ありません。エレベーターが止まったなって思ったら、即 扉が開く…ストレスフリー!これには感動!
第一展望台に到着!この景色! 東京タワーが中央に見えます。


以前 このブログで京都タワーからの景色をUPしたのですが、成る程 こちらの方が かなり高い印象ですね。
京都タワーの展望台は高さ100m、こちらは350m…
東京って こうして見ると、本当に広いし…なんというか…ゴチャゴチャしてますね。
ここまでの料金は 当日券で大人2060円。この階にはカフェもあり、眺めを楽しみながら軽食などをいただく事ができます。
この上にある第二展望台までは更にエレベーター料金1030円也。
どうする…?う〜む…でも、やっぱりここまで来たんだから…行きましょう!
こちら第1展望台と450mの高さにある第2展望台を結ぶ、約30秒間 分速240mのエレベーターは 日立製だそうですが、こちらも同じく大変スムーズ。さすがの日本の技術です!
第二展望台からの眺めはこちら。


更にゴチャゴチャ…(^^;;
ちょっと標高が高すぎますね…訳わかんない…雲が本当に近くにあります…
この日は若干曇っていたので、遠く富士山は望むことが出来ませんでした。ちょっと残念。
それにしてもよくもまあ、これだけの建物をビッシリと建てられたものですよね…


その後 第一展望台に戻り、早め早めに行動したお陰で 待つ事もなく 展望台カフェで 素晴らしい眺めを楽しみながら お昼を頂く事ができました。やっぱり ももんがちゃんの行動予定は正解!
その後は東京ソラマチでショッピングしたり、お茶したりと楽しめたのですが、この日はクリスマス近く。夕方よりプロジェクションマッピングが行われるという事で 暗くなってからは凄い人!ツリー周辺はもう人波で歩けないくらい…プロジェクションマッピングは諦めだなぁ…
ただ、スカイツリー自体もクリスマスカラーの照明で素敵でしたよ(^^)でも手ブレで写真がうまく撮れませんでした。
なにはともあれ、自立式電波塔世界一の634mという全高を誇り、日本の技術の粋を堪能できるスカイツリー…
ちょっとエレベーター料金が高い気もするのですが…一度は登る価値ありかな*\(^o^)/*

2015年1月10日土曜日

すっかり明けてしまいまして…

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします*\(^o^)/*

…と言うものの、いつの間にやらすっかり明けてしまっておりました(^^;;
日々ダラダラ過ごすと、本当に時が経つのはあっという間ですね。
あおいみみずくは普段の日でも御存知の通り「隙あらば昼寝する」的な怠けみみずくなのですが、その中でもこのお正月の何もしなさ加減は…(ー ー;)
昨年の年頭には、日々丁寧に生きるという事を心に誓ったのに…このままでは足が退化するだけでなく、裏も表も前も後ろもわからないようなナマコと化してしまいそう…「あおいなまこ…」
ま、それも良きかな(^◇^;)


で、今年 ようやく重い重い腰を上げて出かけたのが、みみずくの住処からバスで7分という近さで開催された句会でした。しかも句会場はバス停の目の前…うーむ…絶対足が溶けて失くなる…
ボケたお正月を過ごしていたせいか、自分の句はいまひとつの出来でしたが、ちょっと面白く新しい言葉を覚えました。
「人日」(じんじつ)という言葉です。
かなり多くの方々が、この「人日」という言葉を使って俳句を詠んでいらっしゃいました。
あおいなまこ…でなく みみずくは、初めて聞く言葉でしたので 早速帰ってからWikipediaで調べてみたのですが…
なんでも 古来中国では、正月一日を鶏の日、二日を狗(犬)の日、三日は猪(豚)の日)、四日が羊の日、五日が牛の日、六日が馬の日とし、それぞれの日にはその動物を殺さないようにしていたそうです。お正月のおめでたさを、動物達にもお裾分け…という意味合いなのでしょうか?
で、七日は人の日。つまり「人日」とは一月七日の事なのですが、この日には犯罪者に対する刑罰は行わないことにしていたそうな…
また、中国ではこの日に7種類の野菜を入れた羹(あつもの)を食べる習慣があり、平安時代に これが日本に伝わって七草粥となり、江戸時代に一般に定着したという事です。そして人日を含む五節句が江戸幕府の公式行事となり、将軍以下全ての武士が七種粥を食べて人日の節句を祝ったとあります。
因みに五節句とは、1/7 人日 ・3/3 上巳(じょうし) ・5/5 端午 ・7/7 七夕 ・9/9重陽 で、幕府の重要な行事として祝日とされたものだそうです。
あおいみみずくの手元にある俳句歳時記には 人日の項に
「人間世界のこの一年の運勢を占う日」
とあります。一月七日というのは、以前から かなり大切にされていた日だったのですね…ってワケで、

人日やなまこに足の生えもして

あおいみみずくだけにしか意味がわからない…これは俳句とは言えませんね…(^^;;
しかも「海鼠(なまこ)」は冬の季語…季重なり…オソマツ…m(_ _)m
こんな調子でのんびり過ごす…いえいえ…丁寧に (のんびりの同義語…あおいみみずく辞典より) 一年にしたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


…人日を抹茶のパフェでお祝いす *\(^o^)/*