2014年4月5日土曜日

春!「皇帝」で伸びをする

先日、3月29日、赤坂のサントリーホールで行われた
「ユベール・スダーン指揮 東京交響楽団 定期演奏会」
に行って来ました。
演目は、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第五番 変ホ長調 作品73「皇帝」
ピアノはゲルハルト・オピッツ
そして、シューベルトの交響曲第二番変ロ長調 D.125
でした。
しばらくぶりに「皇帝」を生で聴きましたが、豪華絢爛。すっきりと楽しめますね!
ベートーヴェンが協奏曲を書いたのは 彼自身の年表から言うと 初期から中期に至る時期に限られていて、この 第五番「皇帝」が最後となります。
あおいみみずく自身、最近は 少し枯れて来たのか、彼の後期と言われる時期に書かれた「ピアノソナタ」をしみじみと聴いておりましたが、たまにこのようなエネルギー漲るものを聴くと、頭でっかちをガツンとやられたようで、心が瑞々しいもので満たされます。しかも今は春ですし*\(^o^)/*
一楽章。素晴らしく派手な出だしで一気にマインドが解放され、青空に向かって大きく息をして背伸びをしたくなり…二楽章。主調から はるか離れたロ長調。曲自体 移ろいやすく、天上的・夢幻的な雰囲気が醸し出されていて 涙がこぼれそう。文句無しに美しい…ダイレクトに流れ込む三楽章では 思わず隣の人と手をつないて踊りだしたくなり…あ、というより 指揮台によじ登り、指揮棒を持って飛び跳ねたくなっちゃいます!
因みに「皇帝」という別名は、ベートーヴェン自身がつけたものではないようです。
この曲の「曲となり(?)」が、勇壮で あたかも「皇帝」連想させるようだからと、出版社のクラマーによってつけられた…いう説があったり。
いや、本当に勇壮であり雄大です。気分の良いお休みの日の朝に聴くと、一日中ハッピーに過ごせそう。このように、難しく考えずに音に身を委ねられる楽曲も良いなぁ…と、改めて感じました。


ピアノのゲルハルト・オピッツさんは、確か15〜16年前あたりだったでしょうか?NHKの番組で「ベートーヴェン ソナタ集」の演奏とレッスンをしてくださいましたよね。本当に素晴らしい番組でした…懐かしいなぁ…
ゲルハルト・オピッツの師匠はヴィルヘルム・ケンプです。「ケンプ」が弾くベートーヴェンピアノソナタの数々は、みみずく 小さい頃から何度聴いたことか…決して抒情にのめり込みすぎず、音楽をシンプルに淡々と進めていくケンプのベートーヴェンは、私にとってバイブルと言って良いものでした。
オピッツの今回のベートーヴェンも、とても誠実で 堅実で 伝統的(?)な演奏だったと思います。煌びやかさに流されることなく 全体的には品のあるベートーヴェンでしたが、オーケストラがひとたび音を離すと、飛び出したい!とばかりにエネルギーが溢れ、走り出しそうになる…おい、待て待て…と、オーケストラが捕まえる…オピッツさん自身は実年齢的には"若者"とは言われないでしょうが、その「時に溢れ出す音楽における若々しさ」を垣間見て、思わず微笑んでしまいました。
アンコールはシューベルトの劇付随音楽「ロザムンデ」からの間奏曲第3番…本当に美しい旋律。心に沁みますね…演奏会の最後はとても優しい気持ちになれました。
それにしても、久しぶりに赤坂に行きましたが 遠いですね…
東京こそ 楽しい所、素晴らしい所がたくさんあるのですが、何にしても広すぎる…
京都では ほぼ全て徒歩圏内でしたからね…ものぐさみみずくの住処としてはピッタリだったワケですよ…
でも あおいみみずく、たくさんエネルギーを頂いたので、これからの春を楽しもう!
都心でも何処でも出て行きますよ〜♡

4 件のコメント:

路傍の小石 さんのコメント...

ベートーベンの「皇帝、いやー知りませんでした(お恥ずかしい)。でも、聴いてみたい! 図書館に行って借りてこようっと。それからケンプという方(此方は名前だけは知ってましたが)の演奏も聴いてみたい!私はどちらかというと質実剛健なのがいいと感じるタイプなので、ケンプさんのを聴けば、いままでそれほどでもなかった曲についての印象も変わるかもしれない。そうなったらうれしいぞお。

あおいみみずく さんのコメント...

路傍の小石さん コメントありがとうございました!
「皇帝」の冒頭はすごく派手なので、たまにTVのバラエティーで、"答え合わせ"みたいな時に使われていたりするので、ひょっとしたら聞き覚えがあるかもしれません(^_−)−☆是非聴いてみてくださいね!
ケンプのスタイルは現在主流のものとは少し違うのかもしれませんが、私は子供の頃から聴き馴染んでいるので 濃厚ではないけれど 演奏に落ち着きを感じます。図書館で色々借りれるんですか!?
こちらも是非!

ゲンゴロウ さんのコメント...

皇帝といえば昔、ペーター・レーゼル(P)、
ゲバントハウス、クルト・マズアの演奏会で
楽しみました。シューベルトの2番との組み合わせも渋いですね。オピッツはブラームス
のピアノ曲全集を時折楽しんでいますが、輪郭の優しい演奏で、絢爛豪華な皇帝との相性
が面白い気がします。ピアノの輝きを最大限
に発揮させた皇帝の作曲者がエリーゼのためにも作曲するとは、ベートーベンも相当の幅
を持った作曲家ですね。いや、楽聖に向かって大変失礼な言い草で。

あおいみみずく さんのコメント...

ゲンゴロウさん、コメントありがとうございました!
確かにベートーヴェンは幅広いですよね^_^;
私の所の 大人から始めたピアノの生徒さんの多くは、まずは「エリーゼの為に」を弾く事を目標として頑張るようです。
頑張ってベートーヴェンに辿り着き、さらにそこからベートーヴェンの真髄に興味を持ち、音楽の山深く分け入って行きます。
そんな事が出来るという意味でも、「楽聖」ベートーヴェンのこの幅広さは偉大だなと思います^ ^

私は若い頃、ペーター・レーゼルのブラームス全集を随分と聞いた思い出がありますが、低音が かなり分厚くて メロディーが柔らかく乗っていた演奏だったような記憶があります。
レーゼルのベートーヴェンは 定評がありますよね。
調べてみたら 協奏曲も評判が良いようで、私も聴いてみたくなりました。
先日はCDで リヒテルの「皇帝」を聴いてみましたが、こちらも迫力があってカリスマ性のある演奏でした。
ペーター・レーゼルは、音楽的に影響を受けた演奏家としてリヒテルを挙げているようですが、あまり似ていないようにも感じます。
…が、しばらくレーゼルの演奏を聴いてないので 記憶を辿る意味も兼ねて、また聴いてみようかと思います*\(^o^)/*