2014年4月11日金曜日

桜の開花と昭和記念公園

今年もまた 昭和記念公園に桜を見に行って来ました。
2011年の東日本大震災で 福島の原子力発電所が大変な事になった事について、私も含め 日本国内に住んでいる人達は 緊迫感はあったものの何気に呑気に構えていましたが、海外に住んでいる知人からは
「こちらにマンションを買って みんなでシェアして住むという選択もできる!本気だから!」
みたいな切羽詰まったメールが複数来たりして…
海外在住の方々の方が、かなりシビアに捉えていたようでした。
そんな声が飛び交い まだ毎日のように余震が続いていたあの年の春、ふと 昭和記念公園に桜を見に行きたくなったのです。
冬がやたら長く、なかなか暖かくならなくて、気持ちも暗く不安感もいっぱい…
そんな時 訪れた昭和記念公園の風景は今でも心に強烈に残っています。
訪れる人もほとんどなく、ひっそりとした公園内…
寒い日が長く続いたせいか、遅くなった桜の開花と共に、名残の梅 菜の花 ボケ 雪柳、チューリップ ムスカリ 水仙に諸葛菜などが見事 一斉に咲き揃い、青い空の高い所にうっすらと刷毛ではいた筋目のような雲が浮かんでいて、暖かい春の陽射しが降り注ぎ、それまで見たこともないくらいに美しく、平和な風景が目の前いっぱいに広がってて…
そんな中、福島で放射性物質を飛ばし続けている原発を思い、東京には住めなくなるかもしれない…こんな風景を見るのもこれで最後なのかもしれない…と、ぼんやり思いながら、あの例えようもなく美しい光景を目と心に焼き付けていました。
あの日以来、毎年 桜が咲くと 春を確認しに 昭和記念公園に行くようになりました。
福島で文字通り命がけで頑張って下さっている作業員の方々、そしてきっと目に見えない力も働いたのでしょう…奇跡的に 今日 こうして無事に東京に住むことができ、変わらず桜を見る事ができ、とても嬉しく 感謝の気持ちでいっぱいになる今日この頃です。


ところで、日本には桜の三大名木というのがあるそうで、どれも樹齢1000年を超えるそうな…スゴッ(^◇^;)

[ 三春滝桜 福島県]
別名「滝桜」と呼ばれるように 下に向かって花が咲きこぼれる"紅しだれ桜"
1922年 国の天然記念物に指定
[神代桜 山梨県]
樹齢1800年とも、2000年とも言われる "江戸ひがん桜"
1922年 国の天然記念物に指定
ヤマトタケルが東征の際に植えたもので、日蓮上人が祈りによって 衰えたこの桜を再生させたという伝説がある
[淡墨桜 岐阜県]
樹齢1500年以上の"江戸ひがん桜"
1922年 国の天然記念物に指定
別名「淡墨桜」と呼ばれ、蕾の時は薄いピンク、満開では白、散り際は淡い墨色と色が変化していく。継体天皇のお手植えという伝説がある

ふむふむ…いつかは見てみたいな…

4 件のコメント:

ジョヴァンニ・スキアリ さんのコメント...

みみずく姫さま、相変わらずお美しくて何よりです。

実はジョアンナたちと一泊二日のバス旅行で「淡墨桜」を含め各地の桜を観てきたのです!幸運なことに両日とも天候に恵まれ、桜も満開の所ばかりでした。特に淡墨桜は、地元の保護グループの人によると、何年に一度かの美しい咲き方だったそうです。

なお高校クラスメートのメーリングリストに「櫻妄想」という短文を送りました。これは内容的にギョーム・サボリネール氏の魔界通信に対抗できるかもしれません。推敲して自信が出てきたら開示します。

あおいみみずく さんのコメント...

わぁ〜!いいな!いいな!W(`0`)W この春に行かれたのですか?うらやましい〜!
羨ましすぎて、ご挨拶が遅れてしまいました…
ジョヴァンニさん、コメントありがとうございます!
京都の円山公園にある 東山魁夷さんが描いた「しだれ桜」は、樹齢は80年くらいだそうですし、桜守りの方が大切に守ってらっしゃるのでしょうが、カラスの害などでかなり弱っているように見えました。方や 淡墨桜は樹齢1500年って…想像つかないです…まだまだ元気な様子でしたか?満開の頃なら、白い花…雪のように 空から舞い降りて来ている感じなのかなぁ…?是非お話を伺いたいです!
それから「櫻妄想」…なんて魅惑的なタイトルなんでしょう…
是非とも開示していただきたいです。待ちきれな〜い!
それにしてもギョームさんはそろそろ脱出に向けて動きだされるのかしら…ジョヴァンニさんは何かお聞きになってます?^ ^

エーデルワイス さんのコメント...

私も何十年か前に、根尾の薄墨桜見に行きました。
この桜は、一度死にかけたのを宇野千代さんが惨状を憂い 再生に力を借したようで、若桜の根を集め 根に接いで再生させたそうです。
私の行った時は、白色でまだ薄墨色にはなっていませんでした。

☆いざ子ども山べにゆかむ桜見に明日ともいわば散りもこそせめ(良寛)
こちらの桜もすっかり散り、蕊を残している状態です。

菜の花の写真を見て、山村暮鳥の あの ”いちめんのなのはな” を思い出しました。
かすかなるむぎぶえ、ひばりのおしゃべり、やめるはひるのつき、とは少し違いますけれど…
現代ではなかなか望めなくなりましたね 

あおいみみずく さんのコメント...

エーデルワイスさん、コメントありがとうございます!
なるほど、宇野千代さんデザインの着物 その他、「桜」がモチーフのものが多いですよね。以前 何処かで目にした「宇野さん 90歳を過ぎた頃の写真」でお召しになっていた着物の柄は、満開の桜だったような気がします。淡墨桜だったのかしら…?
朽ちる寸前のものが、根を再生させて栄養取らせると復活するんですね!…とすると、人間の若さの秘訣は「腸」でしょうか。
山村暮鳥の「いちめんのなのはな」調べてみました。
本当に この上なく まぎれもなく「いちめんのなのはな」ですね!
詩の文字をじっと見ていたら、「いちめんのなのはな」そのものに見えて来ました!
昭和記念公園では、「ひばりのおしゃべり」ではなく、「しじゅうからのおしゃべり」は聞こえました。
いえ、「40からのお喋り」ではなく、もちろん 鳥のシジュウカラです…^_^;