2013年12月23日月曜日

竹の寺〜地蔵院

本当は 秘密にしておきたいほど素敵!この近くの民家で生まれた 一休さん も小さい頃 (安国寺に移られた6才頃まで) 過ごされていたという「竹の寺」地蔵院です。
前回UPした西芳寺のすぐ近く。歩いて5分弱の場所に、本当にひっそりと建っています。
ここの周辺には他に「鈴虫寺」と呼ばれる華厳寺があって、そこの わらじを履いたお地蔵様が「どんな願い事でも1つだけ叶えてくださる」と評判らしく、あおいみみずくが通りかかった時にはお寺の門からずっと 若い女の子達の長い行列ができていました。
その行列に尻込みしてしまい、結局「華厳寺」には伺えなかったので、そちらにはまた別の機会にでも行ってみたいなと思うのですが…
何の気なしに伺った地蔵院…本当に素敵でした!
地蔵院は、歌人 藤原家良の別荘跡地に細川頼之が夢窓疎石(夢窓国師)を開山(初代住職)として1367年に建立させました。(実際の開山は宗鏡禅師ですが、師匠の夢窓国師を勧請して第一世とし、宗鏡自身は第二世となったそうです。)
一時栄華を極めたようですが、応仁の乱で沢山あったお堂などを焼失し荒廃。紆余曲折を経て、ようやく1704年頃 寺観が整えられ、現在は再建された本堂と方丈のみが残る 小さな臨済宗の禅寺です。
本尊は伝教大師 最澄の作と伝えられる地蔵菩薩。方丈庭園は作庭者不明ですが「十六羅漢の庭」と呼ばれ、京都市の名勝に指定されていて、楓・五葉松・胡蝶侘助(椿の一種)が緑の杉苔の中に配置されています。
細川家ゆかりの寺院ということで、細川護煕元首相筆の襖絵がありました。細川元首相御自身も、この寺を「京都の隠れ家」と呼び、訪れる事もあるそうです。


何と言っても総門から本堂にかけての竹林が本当に素晴らしい。竹取物語の世界が現実に広がっています。
シンと静まり返った空気の中、方丈までの参道をゆっくりと歩くと 風に吹かれた孟宗竹のさわさわ言う葉の擦れ合う音が聞こえます。微かに鳥の囀る声。時折唸る風の音。
自然の織りなす音楽が聴こえてきます。
目に映るのは空高く伸び上がる竹林。何とも言えない緑の色に混じって樹齢が相当長そうな紅葉が彩を添えます。
静寂の中、何にも邪魔されず 自分自身を見つめる ゆっくりした時間を過ごせる地蔵院。
方丈の庭園に植えられた胡蝶侘助の花が開く頃、もう一度 訪れてみたいな…

4 件のコメント:

エーデルワイス さんのコメント...

冬至も過ぎ もういくつ寝るとお正月 と子供の頃に数え始めたようには行きませんけれど、次第に数え日になり、なんとなく気忙しさを感じます時、素敵な地蔵院の写真、一服の清涼剤になりますね。
細川護熙元首相と言いますと、総理を辞めた後は晴耕雨読の日々。自分の家にお茶室を作り(藤森照信作)悠々自適の生活とか?素敵ですね。

あおいみみずく さんのコメント...

エーデルワイスさん、コメントありがとうございます!
藤森照信という名前は 初めて聞いたので、調べてみました。タンポポハウスにニラハウス、空飛ぶ泥舟に塔のてっぺんにあるお茶室?路上観察学会会員…^ ^とてもユニークな建築家なのですね。細川元首相がこの方にご自分のお茶室を作ってもらったと知って、親しみ…なんて言ったら失礼ですが、ちょっとイメージが変わりました。
人間、硬いだけではなく、硬さの中にも竹の様な しなやかさがなければいけませんよね^o^

ジョヴァンニ・スキアリ さんのコメント...

みみずくさん、ご無沙汰です。

私と即興演奏の相方は元々なんちゃって芸術つながりだったのですが、その中心が「路上観察」です。従って藤森照信は教祖格なのです。文庫・新書で藤森ワールドに触れるには:
「建築探偵の冒険」(ちくま文庫)
「建築探偵・奇想天外」(朝日文庫)
の2冊がいいでしょう。もっとマジメな藤森の顔を見たかったら:
「日本の近代建築」上・下(岩波新書)
路上観察に栄光あれ!

あおいみみずく さんのコメント...

ジョヴァンニさん、お久しぶりです。コメントありがとうございました。
そうなんですか!藤森照信さんは、ジョヴァンニ師匠の教祖格!凄〜い^o^ これは是非とも ご紹介いただいた本を読んでみなければ!題名を見ただけでも興味津々!ワクワクします。
お正月の楽しみができました。
あおいみみずくの京都滞在も残り僅か。秋には友人と 紅葉の名所旧跡巡りをずいぶんしましたので、これからは おなかを空かせた熊と一緒に 「京都 冬の路上観察」に出かけてみたいと思います(^-^) ワクワク