紅葉の京都。
清水寺や嵐山、東福寺と言ったメジャーな場所は大変素晴らしいのですが、やはり人の多さに疲れてしまいそう。また、これまで穴場とされて来た「蓮華寺」や、交通が不便で行きにくい岩倉の「実相院」なども口コミが広まったせいか、今年はかなり混雑していました。
しかし、どこもかしこも混んでいるか…と言われれば…
ガイドブックの紅葉特集ではあまり見かけない、あおいみみずく お気に入り の場所をこっそり紹介しちゃいます。
まず最初のお気に入りは、下鴨神社の境内に広がる「糺の森」
ここは 賀茂川と高野川に挟まれるように広がっていて 下鴨神社へと続く 南北に細長い 平安京以前から保たれている「原生林」の森です。
一般的に神社の境内や参道では常緑針葉樹が使われている事が多く、鬱蒼とさせて神秘的な感じを演出している場合が多いようですが、ここは 珍しく ケヤキやニレなどの落葉広葉樹林が中心の 明るい森です。落葉樹が多いという事で 紅葉も綺麗!…って事は、春の芽吹きの頃もきっと素晴らしいのでしょうね!
平安京が置かれていた時代にはもっとずっと広かったようで、応仁の乱でその70%が焼失したそうですが、現在は東京ドーム約3個分の広さだとか。
森の中には「瀬見の小川」「奈良の小川」「泉川」「御手洗川(下鴨神社敷地内)」という4つの川が流れていて、古くから たくさんの和歌に読まれています。水辺を好む植物も多く、上賀茂神社、下鴨神社の神紋である「双葉葵」も最近は激減しているものの、自生しているようです。
原生林の森という事ですから いわゆる手入れの行き届いた 作られた「庭園」ではありません。目を引くような真っ赤な紅葉があるわけではなく、「構成された美」とはまた違った感じではありますが、様々な種類の落葉樹が織りなす 微妙にトーンの違う赤や黄色、オレンジ、そして様々な種類の緑が自然に絡み合い、派手ではありませんが 心安らぐ 色どりです。
樹齢も数百年の樹木が多いので 背も高く開放感があり、思わず見上げて 深呼吸をしたくなります。
町の真ん中にこのような森を備えている所はなかなかありませんよね。
京都の町の奥深さが垣間見られる一つの場所です。
「ここで和歌などを一首…」と行きたい所ですが、不調法なもので…
鴨長明のものをご紹介します。
石川や瀬見の小川の清ければ 月も流れを尋ねてぞすむ (新古今和歌集)
ここは街中より幾分 色づきが遅いので、「あ、今年 紅葉見るの ちょっと遅れちゃった…?」
の時分、ちょうど良い感じだと思います*\(^o^)/*
4 件のコメント:
糺の森 一度行ってみたいと思っていた処です。
今「利休にたずねよ」を読んでいるところですけれど、「茶の湯の神髄は、山、里の雪間に芽吹いた草の命の輝きである」と書いてあります。
私も なんとなくわかるような気がします。芽吹きの時、是非行ってみたいです。
"さびしさは なほのこりけり 跡たゆる 落葉が上に 今朝は初雪 " ( 鴨長明 )
エーデルワイスさん、コメントありがとうございました!
芽吹きは本当に命の輝き。まさに誕生ですね。もうひとつ、冬を耐え 乗り越えて来たからこその圧倒的な積み重ねの力強さを感じます。
私もうまくいかなかったり落ち込んだりする事がありますが、その後の芽吹きの為にきっと必要な事なのだと思うと、何というか、前向きに落ち込む事ができます^o^
そんなパワーを感じる芽吹きの糺の森に 再び行ってみたいです。
我もしばしば落ち込むこと有り。その辛さを耐へる為になす事を伝授するなり。
一、いにしえの仲間が多数登録せし「めいりんぐりすと」に「我辛し」と投稿する也。甘えのやふでござるが、仲間がハゲ増し、もとい、励ましの言葉を返してくれるでござるよ。
一、意図的に大量の仕事を抱え込む也。朝から晩まで働き続ける事により、精神的疲労を肉体的疲労に置換するでござるよ。
一、飲むでござるよ。
ギョームさん、コメントありがとうございます!
確かに落ち込んだ気分の時は、人の支えが何より力になりますし、身に沁みますよね。このブログにコメントをくださる方はもとより、読んでくださる方がいらっしゃるというのも、何だかすごく力になっている気持ちがします。有り難い事ですよね。
その有り難さを胸に刻んで忘年会と新年会…その他もろもろ 飲むでござるよ^o^
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