2014年5月10日土曜日

東京で栄西と建仁寺を満喫…のつづき

さて 前回、思わず「風神雷神図屏風」について語ってしまった訳ですが…
今回の展覧会の正式名称は、"栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」"
様々な政治的妨害にも屈せず 日本に禅宗(臨済宗)を広める土台を築き、京都最古の禅寺「建仁寺」を開創した栄西禅師(1141~1215)の800年遠忌に因んで開催された展覧会です。
栄西禅師は留学していた中国からお茶の種を持ち帰り 栽培を奨励し、「喫茶養生記」を著して お茶の普及に努めた事などで「日本の茶祖」と言われています。(その辺りの事については、あおいみみずく11/4付のブログ「建仁寺の生垣」の回をご参照ください。)
で なんと今回、栄西が著した自筆の「喫茶養生記」の再治本を、実際に見る事ができたんです…感動!
( 喫茶養生記には初治本と再治本があり、展示されていたのは 自身が書き写した再治本です。)
最初から最後まで決して乱れない きっちりとした筆跡から、驚異的な集中力が偲ばれます。
そんな中「栄西禅師坐像」…というのを見て驚いてしまいました。
確かにその能力を彷彿とさせられます…というのは、その頭 ( 額 ) があまりにも長いというか、広いというか…
驚異的な記憶力を手に入れられるという「虚空蔵求聞持方」の修行をやり遂げた事により、身長が12cm伸びて、てっぺんが平な大きな頭になったそうな…ホントですか…?^_^;


この展覧会は本当に見応えがありました。
古田織部・松平不昧が大切にしていた 見事に美しい「油滴天目茶碗」や、小堀遠州が所持していたという「玳玻鸞天目(たいひさんてんもく)茶碗」との出会いは ちょっぴり茶道をかじっている あおいみみずくにとって 特に感動的でしたし、六道珍皇寺所蔵の「熊野勧心十界曼荼羅」に描かれた"地獄に落とされた人"のあまりにもあんまりな有様に、絶対にいい人になろう…と、決意したくなり…
そんな中で今回「風神雷神図屏風」と共に目玉であったのは 海北友松( かいほうゆうしょう )筆 による「雲龍図」です。
これは かつて方丈に飾られていた友松制作による全50面の襖絵から成る「建仁寺方丈障壁画」の一部で、玄関に最も近い位置にある「礼之間」という部屋の正面と左面を飾っていた 8面から成る襖絵です。
そこには阿吽(あうん)の双龍が大迫力で描かれているのですが、漆黒の暗雲の中から緩やかにとぐろを巻きつつ姿を現した二匹の龍が、寺にやって来る者を品定めしつつ出迎えているかのようです。
眼底に漂う好奇心と威圧感…何だか自分の心が見透かされているような気持ちになってしまいます。
この「雲龍図」を含めた「建仁寺方丈障壁画 」は「風神雷神図屏風」と同じく、いつもは京都国立博物館で保管されていて、建仁寺に行っても本物が出迎えてくれる訳ではありません。
因みに今回は、50面中41面もの障壁画がはるばる東京までお越しになっており、それだけでも凄い事なのですが、実際に これらを禅寺の空気感と彩光の中で 見る事ができたら最高なのにな…友松の世界観に囲まれ 浸ってみたい…
ただ、これらもCanonが協力して 高精細複製品を制作しているようで、今年2014年、栄西禅師「八百年大遠諱記念事業」の一環として 複製品ではあるものの、順次 方丈へ襖の姿で戻し 現地で一般公開されるのだそうです。
「竹林七賢図」16面、「琴棋書画図」10面、「雲龍図」8面、「山水図」8面、「花鳥図」8面から成る 「全50面に囲まれた方丈」…
うー!浸ってみたい 見てみたい!また京都に行きたくなっちゃった〜^_^;


それから ちょっとオマケのお話なのですが、先日 あおいみみずく3/21のブログ「伏見のお酒で乾杯」の最後に、"山本本家の「松の翠」"という 茶道 表千家宗匠の初釜で振舞われるお酒の紹介をさせて頂きました。「是非試してみたい…」と書いたのですが、その「松の翠」が なんと「栄西と建仁寺特別展」の"展覧会グッズ販売コーナー"で売っていたのですよ!ひゃーびっくり!(#^.^#) テレパシーが通じたのかしら…こんな所で遭遇できるとは…
モチロン買って来ましたよ♡ どんな味だろ…?ワクワク *\(^o^)/*

4 件のコメント:

ギョーム・サボリネール さんのコメント...

「松の翠」を電送装置にて魔界まで配達して欲しいで候。そういうマシンが無かったら御茶ノ水博士に頼んで開発してもらえばいいでござるよ。

聞くところによると巷では拙者の真似をして「櫻妄想」なる幻想譚を書いている輩がいるとか。けしからん話でござる。

あおいみみずく さんのコメント...

ギョームさん、コメントありがとうございます!
了解です!「松の翠」は 御茶ノ水博士に託して魔界に届けてもらいます。楽しみに…って、魔界ではそんな感覚なくなっちゃうのかな?それだと辛いですね。
ところで、ジョヴァンニ・スキアリさんが、ギョームさんを助けるつもりがあるのか無いのか…動きだしました。彼の「櫻妄想」の成り行き次第では、何か働きかけがあるかもしれません。そこらへんは まだ未確認なのですが、とりあえず前向きな気持ちを持ってくださいね。ことの成り行きを私も固唾を飲んで見守っているところです。

路傍の小石 さんのコメント...

空海や日蓮上人などの歴史的に著名な僧侶で、若い時に虚空蔵求聞持法なる知恵を授かるための修行を実践された方が少なからずおられたそうな。

あおいみみずく さんのコメント...

路傍の小石さん、コメントありがとうございます!
そうなんですか!空海や日蓮上人までも…それは凄い…効果はお墨付きですね*\(^o^)/*
近頃、驚異的に記憶力が低下しているあおいみみずく、修行を実践すべきか…?
でも、額が12cmも伸びたら バランスが今以上に悪くなっちゃうな…
体質によるのかな…
修行も厳しそうだし…うーむ…
で、結局「記憶を定着させる為には 寝るのが重要」とどこかで耳にした意見を採用して、よく寝る事にしました…^_^;