2014年1月10日金曜日

元旦は白峯神宮にご挨拶 と熊が言う

さて、「新年を迎え 最初の日、何処に詣でるか」
ここは京都ですから、あおいみみずく的には色々と候補があった訳です。
大晦日に断念した 八坂神社?京都の初詣で最高の人出がある 伏見稲荷大社?学問の神様 北野天満宮?今年は馬年!競馬の神様 藤森神社?上賀茂神社で神馬を拝む…?う〜む…
で、いつもお腹をすかせた熊に相談した訳ですよ。そしたら
「白峯神宮!」( ̄(工) ̄)    即答!
白峯神宮ってご存知ですか?
こちらの地主社に祭祀されている「精大明神」は 蹴鞠上達の神様で、2002年に日韓共催ワールドカップサッカーが行われた際、日本代表の選手達が必勝祈願に訪れた事で有名になりました。
現在は「スポーツの神様」として、あらゆるスポーツに励む人達にご利益がある神社です。
スポーツの神様に 今年最初のご挨拶?…いえいえ それだけではないのです。


ここ 白峯神宮の御神祭は、淳仁 (じゅんにん) 天皇と 崇徳 (すとく) 天皇です。
淳仁天皇は『日本書紀』編纂の 舎人(とねり)親王の王子として誕生し、47代の天皇に即位しました。しかし、弓削道鏡らの謀計によって 藤原仲麻呂の乱を契機に廃位となり 淡路島に流され、失意のうちに33歳の若さで 同島にて亡くなりました。(その後、道鏡は和気清麿によって 討たれます)
一方、崇徳天皇は 鳥羽天皇の皇子として誕生し、75代天皇に即位するものの、すぐ、何故か3歳の近衛天皇に譲位。その後、同母弟 ( 実は父親が違うのかも…?ここに問題があって、崇徳天皇は、父 鳥羽天皇に疎まれた…とも言われているんです…) の後白河天皇に帝位を奪われます。
これに立腹し、1156年に保元の乱を起こしますが 敗れ、讃岐国 白峰に流されました。
「保元物語」によると、讃岐での軟禁生活中 仏教に深く傾倒した崇徳院は、極楽往生を願い 経典の写本作りに専念し、「戦死者の供養と謀反の反省の証として 完成した写本を京の寺に収めてほしい」と朝廷に差し出しましたが、後白河院にこれを拒否され 写本を送り返されました。
この仕打ちに激しく怒った崇徳院は 舌を噛み切り、その血で 写本に「日本国の大魔縁となり、皇を取って民とし民を皇となさん」「この経を魔道に回向(えこう)す」と書き込み、爪や髪を伸ばし続け、夜叉のような姿になり、生きながら天狗になった とされています。
京に帰還すること叶わず、讃岐国で1164年8月に45歳で亡くなった後、その地の白峯山陵に葬られましたが「御霊」となって その後次々と 自分を陥れた人々を祟り 苦しめたことによって「日本最強の怨霊」と言われ、長きに渡って恐れられています。
白峯神宮は 幕末に、孝明天皇が崇徳上皇の霊を慰めるため その神霊を京都に移すよう幕府に命じたものの、間もなく崩御。その子 明治天皇が1868年、自らの即位の礼の際に勅使を讃岐につかわして 崇徳院の御霊を京都へ帰還させ、現在地に社殿を造営し「白峯宮」を創建したのが始まりです。
その後、淳仁天皇の神霊を明治6年に淡路からお迎えし、昭和15年に 神宮号の宣下をうけ現在に至っています。
因みに昭和天皇は、崇徳天皇八百年祭に当たる1964年に、現在 香川県坂出市にある 崇徳天皇陵に勅使を遣わして 式年祭を執り行わせています。天皇家はこの御霊にかなり気を遣っているんです。
…でも、この神宮の狛犬はちょっとかわいい…^ ^


…と、まあ こういった事をふまえ、我々は 京から離れた地で非業の死を遂げた二人の天皇に、
「短い間ではありますが、京都で生活させていただいております。ありがとうございます。」
との感謝の気持ちを込めて ご挨拶に伺ったという次第。
因みに 祇園 歌舞練場の側には 白峯神宮管轄の「崇徳天皇御廟」があり、そこは、生前 崇徳院の寵愛を受けた 阿波内侍が、院を偲ぶために自邸内に建てた御影堂があった場所である と伝えられています。
我が家のすぐそばにある 小さな御廟。熊もみみずくも、そこの前を通りかかると必ず「どうぞ安らかに…」と、お参りをしているんですよ(^ ^)
最後に、小さな頃から 和歌や管弦に優れていたという 崇徳天皇の歌を一首
  〜 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ 〜
「引き裂かれても、いつか必ず また逢える」という恋愛の歌ですが、もっと深い意味があるような気もします…

2 件のコメント:

momo さんのコメント...

ちょっと怖いけれど、平安ロマン、いいですね。
私は一昨年のNHK大河ドラマ「平清盛」のファンでしたが、崇徳天皇の鬼になった回を思い出しました。
役者の方、熱演されていましたね。
私も平安京を感じて歩きたいです。

あおいみみずく さんのコメント...

momoさん、コメントありがとうございました!
大河ドラマ「平清盛」!
私も大好きで欠かさず見てました。何だか視聴率が悪いって 散々叩かれてましたが、どうしてかしら…ただ、ある時いきなり「平○盛」が沢山出てきて 混乱したりはしましたが…f^_^;
京都は一日中晴天という日がほとんど無く、何だか陰鬱な感じが常に漂ってました。
平安京には、成る程、得体の知れないものが似合う気がします…