前回の記事は 盛夏の京都での川床遊び。更に続けて夏の放浪旅行記シリーズを書く予定でしたが、忙しさ(ホント?)にかまけ、すっかり放置してしまいました。折角 読者でいてくださっている方々に大変申し訳なく…本当にごめんなさい。
久しぶりの投稿となる今回、旅行記の続きで浜松の鍾乳洞のお話を…と思って書きかけていたのですが、先に書きたくなった事柄があります。
今年の12月8日。この日 あおいみみずくは月例の句会に出かけました。
句会には毎回 予め作った5句を用意して参加します。今回の参加者は14人。一人5句の出句なので合計70句。いつものように この中から好きな句(今回は6句)を選ぶという作業に入りました。(句会についての詳しい記述については2014.7/12「初めての吟行句会〜4」をお読み頂けると幸いです)
みみずくも一生懸命選んだ訳ですが…この日に限ってなんだか不思議な句が多いのです。
他人の句をそのまま紹介する事はできないのですが、意味的には、例えば 「12月8日の新聞を読んだ」…とか「12月8日に何かが割れる音がした」…とか「12月8日に顔を洗った」とか…
12月8日という言葉を頭に置いた句が沢山、みみずくの目の前を通り過ぎます…なんで??
ひょっとしたら句を作るのをサボっていた人が、今日になって苦し紛れに作って提出したのかしら…(例えば)「十二月八日の飯を食いにけり」でも、十二月という季語が入るし、ちゃんと5-7-5になっているから立派な句として成立するし…。でも、安易じゃない?…^_^;
などと思いながら…不思議とは思いながら…。
そして勿論 みみずくは 12月8日とついたものは一つも選びませんでした。
その後 披講に移ります。それぞれが選んだ6句を披露するのですが、なんと、沢山の方々が12月8日の句を選んでいらっしゃるではありませんか…なんで…?
このブログを読んでくださっている方の中には すでにお判りの方も多いかと思うのですが、みみずくはこの時点でも全く訳がわからない。
披講の後の講評。なぜこの句を選んだのか、理由を皆さんがお話しくださいます。
「12月8日…何かが割れる音…本当に胸がドキっとします。忘れられない感覚です。」
「この日の思いは 決して忘れてはならないと、今 こんな時だから改めて思います」
「私達は、若い世代にしっかりとこの事を引き継がなければいけませんね…」
口々に仰るのですが、此の期に及んでもピンとこないあおいみみずく…
おずおずと手を挙げ、
「いったい今日ってなんの日ですか?」
「…!!」
「ああ…やっぱりあおいみみずくさん世代はご存知ないのですね…」
「やっぱり若い方はそうなのね…もっと話をしなければいけないですね。」(いや、そう若くはないんですが…)
ひとしきり 思いっきりざわついた後、発せられた言葉。
「真珠湾攻撃。太平洋戦争の開戦日ですよ。」
「…12月8日…だったんですね…」
あおいみみずくは今年の夏、本当に、いつもの年以上に 戦争について考えました。広島の原爆ドームにも行きました。終戦の日には映画「日本の一番長い日」も観ました。
ただ 「開戦日」というのはあまり意識にありませんでしたし、メディアなどで取り上げられる事も ほとんどなかったと思います。
でも、終戦があるのだから開戦がある…忘れてはならない日です。何故あまり話題にならないのか…。
また、満州事変や、日清、日露、日中…アメリカを攻撃する背景となったこれらの戦争についても あまり語られる事はない様に思います。
日中戦争を含め、アジア太平洋戦争における戦没者は約230万人。戦災死亡者や外地での一般死亡者を合わせると、この戦いで310万人以上の日本人が死亡したとされています。また、諸説はありますが アジア諸国における犠牲者は3000万人とも言われています。
戦後70年。現在では多くの日本人が戦争を知らない世代です。戦争で誰も殺されない、殺さない…あたりまえだと思っています。
祖父は戦病死しましたが、あおいみみずく自身は 完璧に戦争とは無縁でした。世界中を見渡した時、それがどれほどかけがえのない時間であったのか…この先もそうあり続ける事ができるのか…
終戦の日だけではない 節目節目に、考えたり議論する時間を設ける事がとても大切なのではないかと感じます。
12月8日。この日はジョン・レノンの亡くなった日でもあります。
彼の代表曲「イマジン」
忌野清志郎さんが日本語の素晴らしい歌詞(訳)で歌ってくださっています。あおいみみずくは、この清志郎さんが歌うイマジンが大好きです。
天国は無い ただ空があるだけ
国境も無い ただ地球があるだけ
来年は私も12月8日の句を作ってみようと思います。
4 件のコメント:
大きな組織のトップが誤ると、とんでもないことになります。
今の日本のリーダーはしっかりしているからダイジョウブデショウ…タブン……
12月8日にサーファー声高く
(季語が2つですが。)
トップですか…日本のみならず…って感じもありますね…考えると本当に心が…
ところで 調べたら 12月8日って、季語になってました。 勉強不足でした…^_^;
モモンガさんの句、確かに季重なりですが、意味深ですね。
今の時代は海岸で波乗りに興じられますが、この平和な光景のすぐ隣りには 危うさがあります。
声高くというのは笑い声・楽しい叫び声しょうか?哀しい叫び声に変わってしまう事がいつまでもない様に…。
私も、今年は、特に戦争について意識した一年だったように思います。
昨日お誕生日に際して天皇陛下がお話しされていたこと(以下引用)「この1年を振り返ると、様々な面で先の戦争のことを考えて過ごした1年だったように思います。年々、戦争を知らない世代が増加していきますが、先の戦争のことを十分に知り、考えを深めていくことが日本の将来にとって極めて大切なことと思います。」(以上引用)は、恰も、みみずくさんのコメントに呼応したものであるかのような印象です。
今後も不断に平和について考えを深めていきたいと思います。
天皇陛下のお話は、本当に思うところがありました。
沢山 背負うものがある方の、ギリギリの言葉の選択であっただろう…と、しみじみ考えてしまいます。
でも、雄弁では無いからこそ 多くの伝わるものがありました。
最近は 言葉の選び方ひとつで大変な事態に陥ることもあり…立場もあり…
あおいみみずくごとき 何の背負うものも無い一般市民ですら、言葉の使い方にピリピリしている感じで、便利ではありますが 生きにくい世の中だなぁって時に思います。
「平和」について、自由闊達に議論できる世の中であってほしいものですね。
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