例年にない この時期の忙しさと暑さに あおいみみずくはちょっとバテております…が、ちょいバテくらいが いつもの体調だったりする今日この頃…寄る年波でしょうか?
色々バタバタしていて、あっという間に過ぎ去った5月。そんな中、中学時代の同級生との絡みで 楽しいイベントもありました。本日は下北沢で行われた朗読会のお話です。
「朗読三昧」と銘打たれたこの会は、俳優の金田賢一さんと 音楽家の丸尾めぐみさんがユニットを組み、定期的に行っていらっしゃる朗読会です。開催場所は下北沢のスタジオでしたが、毎回決まった場所でという事ではなく、横浜や目黒、築地など、その都度あちこちで開催されているようです。
今回の朗読は、松尾芭蕉の「おくのほそ道」や、山本周五郎の「かあちゃん」他。俳句勉強中のみみずくが初参加する会の演目としては まさにグッドタイミング!嬉しい嬉しい^o^
「おくのほそ道」は 何度か読みましたが、音に乗せた朗読を聴くと 今まで感じていたイメージとはまた違った世界観を楽しむ事ができました。
あおいみみずくは 「幽玄」という感覚が好きです。なので この「おくのほそ道」にもその感覚を求めてしまい、紀行文としてよりも
「墨染の衣を纏い 笠を背負った芭蕉と曾良が、西行法師の想いを彷彿とさせる 見えないものを見る旅…鎮魂の旅へ出かけた…」
という感覚で読みたく…。
これまでは どうしても行程の辛さや苦しさを感じさせる 平泉到達までの前半を中心に据えて味わっておりました。従って あおいみみずく的クライマックスは
夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡 (芭蕉)
卯の花に兼房みゆる白毛かな (曾良)
この「平泉」の後から 芭蕉の句は、ある種の軽やかさと諧謔的な味わいが感じられる様になります。考えてみると これ以降に沢山の名句と言われるものがあり、それこそ芭蕉の真骨頂のような…
蚤虱馬の尿(しと)する枕もと
閑さや岩にしみ入蝉の声
一家(ひとつや)に遊女もねたり萩と月
今回は ちょっとはしょった所もありましたが あらかた通しで朗読して頂けたので、改めて紀行文的側面や 諧謔的軽やかさを感じる事ができました。忘れていた感覚…
漂流する吟遊詩人といった感じの「芭蕉」は、幽玄と共にユーモア(遊び)も併せ持っていた…深くて軽い…。だからこそ いつの時代においても 市井の人々に受け入れられ、絶える事のない輝きを発しているのでしょうね。
雲の峯幾つ崩て月の山
蛤のふたみに分れ行秋ぞ
この二句は特に好きだなぁ…見えないものが見える気がする…
それにしても、こんな素敵な会に連れて行ってくださったのは、同級会で36年ぶりに再会した中学2年の時のクラスメイト(WAO!みみずくの歳がバレる^_^;)
その当時 会話を交わしたという記憶さえ無く…まさかこんな日が来るとは思ってもいなかったのですが…本当に不思議でありがたい事です。
縁は消滅してはいなかった…これも見えないものが見えた一種って事でしょうか…で 一句
☆ 時を超え酌み交わしたりハイボール
結局 最後は飲むワケです…^_^;