桜吹雪の後、街にはチューリップやムスカリ、芝桜など次々と咲き始め、現在は花水木が満開。街には花が満ちています。
日射しから始まった春が 色彩を持ち、実態を伴ってくる様を日に日に感じる今日この頃です。
国立(くにたち)の大学通りの桜を愛でて、その後 昭和記念公園で花の中を散歩する…というのが 毎年恒例のあおいみみずく的春の過ごし方で、もう かれこれ30回以上 このパターンで春を感じております。
国立駅は線路の高架工事に伴って、新しい駅舎になりました。
以前は北口と南口が分断されていて 行き来ができ難く 多少 不便でしたが、現在はすっかり自由に通り抜けできる様になりました。ただし、この駅舎のデザインは不満です。
以前の国立駅は赤い三角屋根の小さな駅舎で、大学通りから望む景色は 青い空をバックに可愛い赤い三角形が映え、長閑なのんびりとしたものでした。が、ある時 突然北口駅前に大きなマンションが立ち並び、その風景が一変。背景の青空がなくなりました。
それだけでもかなりショックでしたが、その後 三角屋根の駅舎は無くなり、機能的ではあれど 無機質な どこにでもあるような駅舎になってしまいました。
時代の流れとは思うのですが、寂しいですね…
今年の桜は 開花した途端、暖かい日がしばらく続いたので、あっという間に満開となり、満開になったかと思ったら、強い風に煽られて、あっという間に散ってしまいました。
桜並木を歩くと、とても嬉しいのですが、そこはかとない寂しさも感じてしまいます。
染井吉野の色が、少し灰味がかった控えめな色だからかしら…
春霞の中に咲く桜は まるで幻のようです。人の一生を感じさせらる…泡沫の夢…
☆ 灰色の空いつぱいの桜かな
初めて国立の桜並木を歩いたのは、一昨年に亡くなった友人と一緒でした。
高校からの親友で、何をするにも一緒。
大学進学を機に、共に愛知県から出てきて 東京の街をあちこち探検しました。
表参道も、竹下通りも、新宿も、上野公園の美術館も…初めて行ったのは 全て彼女とでした。
吉祥寺の喫茶店を巡り、煙草も吸わないのに マッチを沢山 集めたなぁ…
国立の大学通りを歩き、一橋大学の兼松講堂の前で写真を撮って、ひつじ工芸というお店で小さなガラス細工を買って…本当に楽しい思い出。
彼女が突然亡くなってから、春 国立の桜が咲くと、綺麗だな…っていう気持ちと 寂しい気持ちが入り混じります。今は 寂しさの方が勝るかな…
☆ 亡き友と語らひ歩く花の下
今年に入ってから 中学時代のクラス会のお知らせがありました。
愛知県での開催だったので、遠いし どうしよう…と 思ったのですが、開催日が祖母の法事の前日だったので、帰省がてら出席する事ができました。
それこそ35年ぶりに懐かしい顔に再会できて、古くも新しい方々と再び繋がる事ができました。
共に登下校したお友達と 再び会い 言葉を交わす事もでき、本当に嬉しかった。
クラス会の日は 3月7日。実は その日は祖母と亡くなった友人の誕生日だったんです。
友人とおばあちゃんが「これからも楽しく頑張れ!」って、エールを送ってくれたのかな…
☆ 熱燗や三十五年ぶりに会ひ